金曜日, 12月 29, 2006

幸せな風景


年末の羽田空港。

私は妹家族を迎えるために到着ロビーに向かった。
毎年のことだが今回はクリスマスを過ぎて、年も押し迫ったからなのか、かなりの人でごった返している。私と同じ家族を出迎える人が多い。

大体年配のおじいちゃん、おばあちゃんが転勤先から帰ってきた娘や息子家族を出迎えているパターンが多いみたい。

そして孫を迎えた瞬間のおじいちゃん、おばあちゃんの顔ときたら、ほんとに顔がほころび満面の笑みでのお出迎えである。孫たちも飛んで喜ぶものもあれば、久しぶりだからかちょっとはにかんだりして。

とにかくみんな嬉しそうだ。
到着出口のあたりは幸せのオーラに包まれている感じ。

こういう光景を目にして、命を繋ぐというのはこういうことなのかな?って。
何はともあれ親にとって自分の子の子、孫というのは特別かわいいのである。

都市においては核家族化が進んできたわけだが、なんとなく家族の問題が多い。
年老いた親と生活し、知恵を借りたり助け合いながら大家族で住むといろんなことも解決できたりするかもしれない。


イベント好きな日本人としも、やっぱりクリスマスではなくてお正月なんだな!
家族が集まるのは。

月曜日, 12月 25, 2006

花・花・花







先日友人と設立した会社の挨拶状ができたのでやっと出し終えたところ。
するとたくさんの花たちが送られてきました。

とってもきれいなのでアップしちゃおう!

こんなに素敵な花を贈ってもらってとても幸せだし、感謝です。その応援に恥じないようがんばりまーす!

日曜日, 12月 24, 2006

戸隠山の鬼女



「海老さま~」っていう感じの今日このごろ。

12月の歌舞伎「紅葉狩」を見に行った。
海老蔵が戸隠の姫実は鬼女に豹変する役を演じるというので。

海老蔵の演じる「紅葉狩」は、信州戸隠に伝わる鬼女伝説がもとになっている。

「鬼女伝説」
清和源氏の祖である源経基の局となった紅葉という美女が、正妻との争いから呪術を行ったのが露見したとして戸隠に流さた。土地の人々は都からきたこの紅葉を暖かく迎えたが、朝廷側はなおも、紅葉が都への回帰を願い資金を調達のため徒党を組んで山賊行為をしていると、平維茂を派遣し紅葉を討伐させたそう。


舞台の海老蔵はというと、やはり彼が出てくるだけで客席の雰囲気が変る。
皆身を乗り出して少しでもよく見ようという感じが伝わってくる。

藤娘を演じたときもそうだったが、なんだかやっぱり大きい。
大きい姫がしなやかに舞いを舞っているが、平維茂が酔わされてうとうととしたころに鬼の部分が少しずつ出てくる。
目がぎょろっとしたり、口が舌なめずりしているようになったりして、だんだん豹変していくのだ。
姫様の格好をしているが、大股に足をかっと開いたりしておもしろい。

一度退場したが、次に出てきたときは鬼に豹変していた。例の隈取も青くなっており、髪も獣のように長い。
そして戦いのシーンはかなり迫力があった。

舞台を飛び上がり髪を振り乱し戦う様はもちろんだが、鬼になった顔がすごい。
この人は顔で演技できるのだ。

舞いだけではなく迫力あるエンターテイメントとしても楽しめた。

彼は来年3月に團十郎とパリのオペラ座で公演するそうだ。
実はオペラ座で歌舞伎が演じられるのは初めてだそうである。演目もこの「紅葉狩」をするそうなので、とってもいいと思う。

だって舞台設定もきれいだし、話もわかりやすいし、衣装も豪華だし、飽きない筋だから、きっとパリの人にもうけるはずだ。
ちなみにオペラ座のサイトを見るとチケットは€7~€130まで幅広い。
かなりユーロ高ではあるけれども、やっぱり日本よりは安い。

去年ローマのオペラ座でバレエを見たが、そのときに取った席は€47だったけれど、バルコニーのとってもいい席だった。日本でももっと気軽な値段でいろいろな芸能芸術を見にいけるといいのに。



誰が見てもオーラがあり美しい日本の青年が、パリで伝統芸術を披露してくれるなんて嬉しい限りである。 オペラ座における歌舞伎の初舞台を担うわけだからがんばってきてほしい。


そのころにパリに行くのもいいかも~
着物も持っていってね。


オペラ座
http://www.operadeparis.fr/Saison0607/Spectacle.asp?Id=988


オペラ座公演記者会見
http://www.theaterguide.co.jp/pressnews/2006/05/08_2.html

水曜日, 12月 20, 2006

太陽のめぐみ


最近の東京は西高東低の冬型の気圧配置からか青空の見えるとてもいい天気が続いている。

今まで近所の銀杏のことを話題にしてきたが、とうとう葉が落ちて、道路はまるで黄色い絨毯のようになってしまった。
たまに空っ風が吹くと銀杏の葉が舞ってなんだかきれい。


私の部屋はちょっと変っていて、片側全面が全部ガラスでできている。
また東南に向いていることもあり、朝は太陽のひかりがさんさんと差し込んで寝ていられないぐらい明るい。天気のいい日は太陽の光が差し込み、部屋全体が暖かくなり、 外の気温がわからなくなるほど暖かくなる。

気分もいい。

逆に太陽の差さない夜はとっても寒くなる部屋だ。 天井が高いので熱効率が悪くなかなか温まらない。


先日しばらく会っていない友達に会った。
彼女の旦那様はフィンランドに赴任しており、この夏休みに訪れたときのことを話してくれた。

とにかく、これでもかっていうぐらい自然があふれている。
そして食事はX。私のようなイタリア好きの食いしん坊にはお勧めしないとのこと。
マッシュポテトにメインを牛か豚かチキンかを選ぶぐらいしかチョイスがないらしい。

町にはデパートらしきものは1件しかないが、さすが福祉の国、病院はたくさんあるらしい。

そこでフィンランドで一番多い病気は何か?という質問。


答えは「精神病」だそうだ。

1年のうち夏はとても短く、ほとんどが雪に覆われるらしい。これといって娯楽はないが、大自然はたくさんある。そして夏には太陽が沈まない白夜になり、逆に冬には太陽が昇ってこない。

やっぱり太陽が差さない日々が続き、気候が悪いと気持ちも沈んでくるからか。

それを思うと毎日部屋に差し込んでくる太陽の恵みに感謝である。
明るくて暖かくて気分がうきうきしてくる。

月曜日, 12月 18, 2006

旬な温泉

アド街ック天国というランキング番組で「今行きたい旬な温泉ベスト30」というのをやっていた。
http://www.tv-tokyo.co.jp/adomachi/061216/index.html

ひまだったのと温泉フリークの私としてはつい気になって見てしまった。
いつもは1時間の番組なのに2時間の特番対応である。

以下ベスト30
          
30位 伊豆稲取 ○       14位 指宿
29位 嬉野    ○       13位 伊香保  ○ 
28位 伊豆長岡        12位 和倉  ○
27位 渋温泉          11位 新穂高  ○
26位 洞爺湖  ○      10位 登別  ○
25位 扉温泉          9位 修善寺  ○
24位 南紀勝浦 ○      8位 乳頭温泉
23位 那須    ○      7位 別府
22位 定山渓  ○       6位 城崎  ○
21位 熱海   ○       5位  黒川  
20位 伊東   ○       4位  加賀温泉郷  ○
19位 有馬            3位 草津  
18位 鬼怒川          2位 箱根  ○
17位 銀山            1位 湯布院 ○
16位 四万温泉 ○
15位 湯河原 ○

○印は行ったことある温泉。

30箇所中19箇所は行ったことになる。
温泉好きとしてはまあまあのレートかな?

大体は泊った旅館が紹介されていたが、そのなかでも湯河原の「海石榴」、湯布院の「玉の湯」、修善寺の「あさば」はほんとに良かった。


今行きたいのは扉温泉の「明神館」、銀山温泉の「能登屋」、乳頭温泉の「鶴の湯」かな?

このセレクションでないなと思ったのは東北の温泉。
とってもいい温泉がいっぱいあるのに。

松川温泉、酸ヶ湯、不老不死温泉、藤川温泉に新玉川温泉等。
湯質はサイコーにいいのだが食事と施設のいい旅館が少ないのでピックアップされなかったのだろう。


これらの温泉はもちろんいいけど、家の近所の温泉もお気に入り。
麻布三の橋にある「麻布黒美水温泉 竹の湯」という銭湯である。

お湯は真っ黒で、かなり湯質がいい。東京の温泉は大体黒いお湯の温泉が多いみたいだが、竹の湯のお湯はとても黒くて湯船の底は完全に見えない。湯質は格別で肌がつるつるするし、とてもぬくもる。
それに銭湯だから430円で入れる。

以前銀行に勤めていた時はかなりお疲れモードだったので、30歳ぐらいから月に1度はエステに通っていた。それはそれで肌にもいいし、人にマッサージをしてもらうのは気持ちがよかったが、この温泉を知って以来、そんなにお金かけなくてもいいと思った。

毎日通ってお肌を磨いていれば、ほんとにきれいになる。
まあ、毎日は難しいが疲れたときはなるべく行くようにしている。

竹の湯に行った帰り道は、いつもとっても幸せな気分で自転車をふらふらとこぎながら帰る。 夏も冬もこの感じが大好きだ。見も心もつるつるほかほかで、体が完全にリリースされる。

麻布黒美水温泉 竹の湯
http://homepage3.nifty.com/takenoyu/


温泉にゆっくり入ることは、肌にもいいけど、心を浄化して一日のけがれをすべて取り除いてくれるような気がする。

そして十分に睡眠をとれば、また明日からがんばれる。

地球の底から湧き出るパワーを体に浸透させる。
そんな効能が温泉にはある。

水曜日, 12月 13, 2006

ユーラシア


大陸ではなくて舞浜にある温泉だ。

雨がしとしとと降るとっても寒い日に出かけた。
とっても温泉日和。

こんな日は外でも遊べないし、家にいても洗濯したり掃除する気になれない。
今日は1日思いっきり温泉を楽しむんだ。

舞浜といえばディズニーランドなのだが、その奥にユーラシアはある。
舞浜の駅からシャトルバスが10分毎に出ているので便利。

外観は普通のビルという感じだが、中はやっぱりテーマパークみたい。
さすがにユーラシアっていう名前からか大陸っぽいっていうか南国っぽい雰囲気の中に 仏様の彫刻があったりしておかしい。

施設については後楽園にある「ラクーア」に似ている。
いろんなお風呂とサウナに、TVを見ながらリラックスできる寝椅子と食事所がある。

プラス、エステやマッサージ、足つぼも充実している。
でも、土地柄なのか客層が違うのか結構空いてる感じだ。
(以外に穴場かも!)


お風呂は、内湯と露天風呂、サウナが3種類。
湯質はやっぱり東京湾の温泉ということで海底のしょっぱくて黄土色っぽい。
外にある源泉かけ流しの温泉はぺとぺとしている。

ここはサウナが充実している。

蒸気浴のカルダリウムと低温のラコニウムとケロサウナがある。

カルダリウムはミントのハーブを効かせていてとても気持ちいい。なんだか古代ローマのお風呂に入ってい気分。以前行ったドイツのバーデンバーデンにも似たサウナがあった。

ケロサウナとはケロという材木を使ったフィンランドのサウナである。ここでは1日2回スタッフの人が、白樺のエキスの入った水を石の上にかけて蒸気を出し、タオルをぶんぶん振り回して熱気を送ってくれる。かなりの熱風で、まるで海水浴でじりじり日焼けしてる時に感じる熱気に近い。
でも、白樺の香りと熱気によって汗がどんどん出てかなり効果的。
マイナスイオン効果もあって美容にもいいらしい。

ラコニウムは低温のサウナで、友達といつまでもしゃべっていられそうだが、しっかりと汗もかける。
なんだか、古代の浴場が社交場だったのもうなずける。


そんなこんなで、一度ビールを飲んで休んだが、たっぷり5時間は楽しんだ。
食事はいまいちだったので、舞浜駅近くのイクスピアリがいい。

ユーラシアは、温泉施設だけではなく、手ごろな価格のホテルも併設しているので、ディズニーランドとセットで行くといいかも。


東京からこんなに近くでも結構楽しめるものだ。
憂鬱な1日を楽しむにはもってこいだと思う。


舞浜ユーラシア
http://www.my-spa.jp/page/spa.html

木曜日, 12月 07, 2006

so lovely, Jamie OOXX


と言われそうな、Jamie CullumのLIVEに行った。

場所は代々木の体育館の側にあるShibuya-AX。
初めて行ったが、昔あった赤坂のBritzと同じぐらいの大きさで、1000人ぐらい入るだろうか。もちろんStandingの席である。

6月に来日したときは抽選にもれてしまったが今回は運よくチケットを手に入れることができた。っていうぐらい人気がある。

彼は小柄なイギリスの男の子という感じで、出てきたときはなぜか80年代のロックを彷彿とさせたスタイルでなんだか懐かしい感じがした。でも80年代よりは明るい! とにかくステージの端から端まで動くし、飛び跳ねるし、ビールは飲みながらだし、なんだか昔っぽくていい。(渋谷公会堂で聞いてる感じ)

音楽はJazzとPopsの中間みたいなものだが、ピアノは弾けるし歌は歌うし、ピアノを太鼓がわりに叩くは、もひろんピアノの上からJumpとか。かなりのPerformerでLiveは楽しい。

そういえば、Londonにあるイギリス王室御用達のRoyal Arbert Hallで女王陛下の前で歌ったことがあると聞いたが、その時もピアノの上に乗ったり、叩いたりしてたみたい(笑)

曲はもちろん彼のものも多いが、ラテンの"Mashukenada"があったり、"Amazing Grace"があったりで、ハーモニカのゲストと一緒に歌った"Nature Boy"はとても素敵だった。一足先にChristmas Songを聞いてしまった・・

彼は日本が大好きみたいで、かなりの日本語を覚えたみたいだ。特にチャーシューラーメンとショウチュウが好きみたい。18ヶ月続いたWorld Tourの最後を飾る場所に日本を選んだぐらいだから。
http://www.universal-music.co.jp/jazz/artist/jamie_cullum/


帰りにじゃんがらでラーメンを食べた。(Jamieにちなんで)
その後に表参道でお茶をしたが、例の久しぶりに復活したイルミネーションを見た。なんだか行灯みたいでぱっとしない感じ。

そうそう、お茶をしたCafeが4周年だかで、シャンパンをご馳走になった。それもヴーヴ・クリコのイエローだったのでラッキー。

とっても楽しい一日でした~


番外編:
朝、秋吉敏子さんが特ダネで生ライブを披露していた。Jazz Masters Awardを受賞したそうである。
もちろん日本人で初めてだし、すごいprestigiousな賞だそう。76歳の今もNYで活躍している彼女は、すごいガッツと信念の人だ。

http://www.nea.gov/national/jazz/jazz07/index.html

火曜日, 12月 05, 2006

ぎんなん part II


東京の銀杏は今最高潮にきれいだ。

私の家の周りの並木道や大学や公園にやたらと銀杏の木があって、まっ黄色に色づいてとてもきれいである。歩いても自転車に乗っても外にいるととても楽しい。

今日は用事があって丸の内に行ったが、東京駅の前の銀杏はけっこう葉が落ちていた。

東京の中で温度差があるのかな?

葉が落ちる前の紅葉、町がきれいに見えたりして、いつもの景色が違って見える。


******************************

前回の「ひらがな革命」にちなんで友達が教えてくれた。

「陰陽師」という漫画の中に出てくるのだが、道真が怨霊となって時平の末裔を祟っていたので、道真は祀られるようになったそうだ。(という設定?)

本当のところはどうなんでしょう?

月曜日, 12月 04, 2006

ひらがな革命


NHKの歴史番組を見た。

「ひらがな革命」というタイトルだったので、興味をひかれたのだ。

日本でひらがなを一般に使い始めたきっかけが、平安時代の藤原時平と菅原道真の一件が大きく影響しているという。

歌舞伎の演目にある「菅原伝授手習鑑」では、藤原時平は道真を追い落とした悪者として描かれているし、菅原道真は今では神様として崇められている人物として有名だ。

二人は平安時代の政治家として律令制度改革を断行した人物であった。
時平は名門貴族の出身で色恋沙汰も多い人物だった。反面、道真は中国の学問に秀でた学者肌で尊敬を集めていた。
当時、文化や政治のやり方は中国をお手本にしていたので、公文書などは漢字のみで書かれ、中国を絶対視する風潮があった。


律令改革の旗出を振っていたのは道真のほうで、大胆な改革を行った。長年続いていた遣唐使を廃止した。(この時代の中国は混乱していて学ぶところはないという考えからだ) また、土地は全て国のものという考えを改め、所有を認めるかわりに税金をとるという政策を行ったが、税金を払いたくない者たちから疎んじられ、左遷されてしまったのである。

そして、その改革の後を次いだのが藤原時平だった。
しかし、その道のりは困難を極めた。大胆な改革というのはなかなか理解を得られないのである。
そこで、当時の政治のお手本はとして中国を絶対視する官僚たちを動かすために和歌集の編纂を思いついたそうである。

それが「古今和歌集」である。


当時の中国絶対視の象徴である漢文からひらがなを用いた和文による和歌の編纂により意識革命を起こそうとしたのである。
ひらがなは女性が和歌を書くのに使われていただけで、公の文書には使われていなかったそうだ。
数多くの女性と歌の交換をしていた時平ならでのアイデアである。

この「古今和歌集」の編纂はとても意味のあるものになった。
もちろんこの改革は延喜の改革として後世に残るものとなったし、日本固有の文化を尊重する国風文化というものが生まれた。

おもしろいことに漢文を尊重した道真とひらがなを広めた時平であるが、漢字とひらがなと混ぜた和漢混合文というのが日本語として発達していくのである。

そこから枕草子などの文学が発展した。


日本人というのは柔軟である。

いつも外国の文化に憧れるが、行き過ぎるとちゃんと自分たちの足元にある独自の文化を見なさいよ!という人が現れ、見つめ、また発展させていく。
何事も行きすぎは良くないということを歴史は教えてくれる。

存命中は不遇だった道真は神様になり、改革を成し遂げ国風文化のきっかけを作った時平は悪者になっているというのは、なんとも皮肉な話。


「その時歴史が動いた」
http://www.nhk.or.jp/sonotoki/2006_11.html#04

水曜日, 11月 29, 2006

村上 隆

日曜の日経新聞。

日経の求人広告はいつも日曜日に載っている。
景気がいいのか、以前に比べて広告の数もかなり多い。

と、目を引いた広告があった。

なんと、アーティストの村上隆の会社が求人広告を出していたのだ。
それもUBSの営業募集のすぐ下である。

村上隆は、六本木ヒルズのキャラクターをデザインしているので有名だと思うが、欧米ではかなり人気が高く、彼の作品は高値で売買されている芸術家なのである。

広告によると、100名ほどになった有限会社を統括する人間や経理、法務の人間がいないので求人広告を出すことにしたそう。もともとは彼やお抱えのアーティストの作品を販売していたのだが、最近はいろんな企画やイベントがあったり、最近出版した「芸術起業論」の売れ行きも好調だそうである。

そして、ニッポン芸術立国のきっかけになれないか?と考えているそう。

そう。
日本には欧米の人が憧れる芸術がある。
そういうものをきちんと見せたり、紹介してくれる事業体になってくれればいいと思う。

アキバのコスプレやアニメや漫画だけでなく、昔からあるアート、職人の世界や織物や染物、塗物、焼物等、世界に誇れる芸術のありのままをきちんと伝えていってもらいたいと思う。

こんなことも、村上さん考えているのかな?


興味がある人は応募してみたらどうだろう?

Kaikai Kiki Co., Ltd.
http://www.kaikaikiki.co.jp/

月曜日, 11月 27, 2006

ポーラ美術館


箱根の温泉行ってきました。
久しぶりの元箱根。
お天気はよくなかったので、逆さ富士は見れなかったけど、ゆっくり温泉につかってリフレッシュ!

お天気がよくなかったにもかかわらず、道はかなりの渋滞。
宿の人から事前に連絡があるぐらい、紅葉シーズンの箱根は道が動かないらしい。
(いつも動かないような気もするが・・・)

私達は久しぶりにロマンスカーに乗って、箱根湯元まで行き、そこからレンタカーして移動。
いろいろ考えたんだけど、やっぱり現地での足が融通きかないとなかなか機動的ではないので。

私は大体日本でも海外でも現地まで飛行機か電車で行って、レンタカーを借りて移動する。
このスタイルってアメリカっぽいんだけど、日本でも都市じゃない限り有効。
特に地方に行くと交通の便がかなり悪くなるからだ。

いつもトヨタレンタカーでヴィッツを借りるので慣れてるし、NAVIもあるし、けっこう燃費もよくてお気に入り。
そういえば、昔秋田の能代空港から白神山地を抜けて、弘前、八甲田山、八戸とドライブしたときは 一回も給油しなかったし、がたがたの山道をよく走ってくれたなかなか有能な車です。


着いた日は雨だったので、まずは湯元駅近くのおそばやさん「箱根 暁庵」でランチをする。
ここは広尾にも支店があってたまに行ったりするのだが、おそばもおいしいけどお豆腐がとってもおいしい。
http://gourmet.yahoo.co.jp/0001565783/M0014002450/

それから1号線をどんどん元箱根のほうへ進むが、反対の車線はすごい渋滞だ。
雨がどしゃどしゃ降っているにもかかわらず、みんな箱根が大好きなのだ。

地元の人も言っていたが、箱根は東京から気軽に来れることもあり、年がら年中混みあっているそう。商売をしている人にはとってもいい。だって、普通は季節要因があって、冬がいいとか夏がいいとかあるからだ。

この日は雨だったけど、箱根神社にお参りしてから宿に落ち着いた。
今日の宿は、元箱根の「佳松」。
http://www.hakone.co.jp/



翌日は雨もあがったが、すっきり晴れたというわけではないので、やっぱり富士山は見えなかった。
でも、昼間ということもあり、昨日見れなかった紅葉がきれいだった。

ゆっくりと朝食をとってから今回の目的であるポーラ美術館に向かう。

仙石原あたりになるのだろうか、山道を抜けると突然近代的な建物が見えてくる。
なかなかの建築である。
ここは、ポーラのオーナーである故鈴木常司が集めたものを展示しているのだが、コレクションの内容が素晴らしい。印象派の画家、セザンヌやモネ、ゴッホ、ルノワールや日本の画家達、ラリックなどのガラス工芸や、東洋・日本の陶磁を見ることができる。
さすが美容関係だからなのか、昔の化粧道具なども展示しており、興味深い。

いつも、箱根に来ても特にすることがないとういか、温泉だけだな~って思っていたが、ポーラ美術館ができて楽しくなった。東京とは違い、緑溢れる中で、余裕をもって作品が見れるから。

箱根が温泉やドライブだけでなく、心もリフレッシュできる場所になった。

ポーラ美術館
http://www.polamuseum.or.jp/index.php

火曜日, 11月 21, 2006

仏像


仏像展が開催されている。

仏像の展覧会というのはあまり聞いたことがなかったが、東京国立博物館の平成館に奈良・平安から円空・木喰(江戸)までの木材から像を作り出す一木彫(いちぼくちょう)にこだわって、国宝・重文を含む仏像が一挙に公開されている。

http://www.tnm.jp/jp/servlet/Con?pageId=B01&processId=01&event_id=3460

何を隠そう私は仏像大好き人間である。

東京ではなかなか見に行く機会はないが、京都の東寺の立体曼荼羅の仏像達や広隆寺の弥勒菩薩は見ていて厭きないし、京都の国立博物館や法隆寺の宝物館を覗いてみたりする。

立体曼荼羅
http://www.touji-ennichi.com/info/koudo_j1.htm


展覧会で仏像を見るというのは、珍しいので足を運んでみた。

12月3日までで会期も残り少ないのと週末ということもあったが、かなりの人で混雑していた。まるで、西洋美術館などでよくある「~コレクション」などの展覧会のような混雑だ。

ひそやかに仏像と対話をするような鑑賞はできなかったが、あまりの人の多さに日本人が仏像に持っている憧憬というか親しみみたいなものを感じた。

それも年齢が上の方達ばかりでなく、この混雑の中デートと思われるカップルもいたことはなんとなく嬉しい。


仏教を信仰した国の中で、鋳造ではなく、一本の木材にこだわって仏像を作り続けてきた国は日本のほかにないそうである。考えてみると鋳型に流した像だとなんとなくつるっとしていてリアルな感じだが、木造になるとその作者の思いやぬくもりも感じることができるような気がする。

奈良・平安の仏像は、中国から仏師に教わって作られたものが多いので、異国的で見ていてうっとりする美しい像が多い。なんとなく、その像の前でひれ伏してしまうような、そんな感じがする。

時代が移り江戸時代の円空・木喰になると丸太を割って作ったのがよくわかるような素朴なものが多く、お顔はみな笑みを浮かべている。見ているこちらも笑ってしまうような、そんなやさしさを持っている仏像たちだ。

読売新聞が協賛しているので、クリックをすると作品が見れる。

http://event.yomiuri.co.jp/2006/butsuzo/works.htm


仏像を見るときは、なんだか心静かで平和な気持ちになる。

仏像展の混雑状況は、皆が平和を欲していることの表れだろうか?
実のところ、混雑しすぎで落ち着いて見る余裕はなかったが・・・

東京で仏像をゆっくり見るということがなかなか叶わないが、機会があれば国立博物館の法隆寺宝物館に行ってみてはどうだろうか?

安藤忠雄の建築も素晴らしいし、思索をするにはもってこの場所だ。
http://www.tnm.jp/jp/servlet/Con?pageId=B01&processId=00&mansion_id=M4

水曜日, 11月 15, 2006

海老蔵

すごい存在感の弁慶だった。

11月の花形歌舞伎を見に行ったのだが、お昼の部は松緑の「番町皿屋敷」、海老蔵と菊の助の「勧進帳」、菊の助、松緑の「弁天娘女男白波」という演目。

花形歌舞伎というのは、歌舞伎界の次世代を担う花形俳優が諸先輩の指導を受けて大役に挑むということから、芸の継承ということで重要な役割をもっているそうである。

考えてみると、最近見た歌舞伎には大体海老蔵と菊の助のコンビで出演している演目が多かった。この二人の期待値はこれからの歌舞伎界において重要であることの表れだろう。

「勧進帳」
http://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/edc_dic/dictionary/
dic_ka/dic_ka_22.html


なんだか圧倒されてしまった、海老蔵の弁慶。

私の席は1階の20列目のど真ん中だったのだが、そこからでも彼の目の動きや顔の表情がよくわかる。関所を抜ける時の緊張感を伴う長い台詞や、高い跳躍ありの金剛杖を使った舞踊も迫力満点だ。荒事の技もりっぱにこなしていたし、なんといっても会場の観客全員が彼の動き追いながら魅了されているようだった。

もちろん相手方の富樫役の菊の助もマッチしていたが。

最後の幕外での飛び六法での幕引きもかなりの迫力。
目の前で花道を踏みしめる音、豪快な手振り、顔の表情、金剛杖を振り回しながら客席の間の花道を引いていく弁慶は素晴らしかった。

”飛び六法”
http://www2.rosenet.ne.jp/~spa/kabuki/html/ess/ess067.html


以前見た海老蔵の「藤娘」は女形なのにかなり豪快なものだったが、今回は彼の持ち味が存分に堪能できる舞台だった。

これからの彼の舞台が楽しみである。

そういえば、菊の助の母である富司純子に海老蔵の母らしき人が入り口で挨拶をしていた。
息子達のことは心配だろうし、成長をきっと喜んでいるんだろうと思うが毎日来てるのだろうか?

梨園の妻は大変だ。

水曜日, 11月 08, 2006

ぎんなん


昨日は日本全国に強風が吹き荒れた。

私はいつも天気がよければオフィスまで自転車でいく。
途中に銀杏の街路樹があり、最近はあの銀杏特有のにおいがし始めたので、そろそろ落っこちてくるのかな?なんて思っていた。

実は昨日通りがかったところ、ある一角にすごい量の実が落ちていた。
でも、「どーしよう~」と思いながら通り過ぎてしまった。
というのは用事もあったし、袋もなかったし拾える状態ではなかったから。

で、今日改めて袋を用意して行ってみたが、きれいになくなっていた。
そう、都会ではそんなに悠長にしていられないのだ。
昨日目にした大量の銀杏は、ナイスなタイミングで出くわしたということ。


昨日の帰り道。
六本木ヒルズのイルミネーションが始まったいた。
やっぱり青と白の光りはとてもきれい。

もうクリスマスの準備が始まっているのかと思うと、今年ももう残り少ないなと実感。

月曜日, 11月 06, 2006

流鏑馬


















明治神宮の秋の大祭というのがある。

年中行事のひとつだが秋の収穫の感謝を捧げるために様々な奉納が行われる。10月1日から大相撲の朝青龍の土俵入りや能、狂言、舞楽、邦楽、武道、花道、茶道が奉納され、いろいろな日本文化を垣間見ることができるのだ。

もちろん全国からたくさんの作物、酒、醤油、野菜、海産物等々の食べ物も展示される。

私は11月3日に古武道が奉納されると聞き見に行くことにした。
毎年この文化の日に日本中の古武道道場の方々が集まり、自分たちの流派の演武を披露してくれるが、朝から1日中、明治神宮の本殿奥の芝地にて順番に延々と行われる。


この日は青空の晴れ上がった秋の暖かな一日になった。

例祭の儀式もあったのでたくさんの人がおり、各国大使の車がたくさん駐車しているのが不思議だった。みな参拝しているのだろうか?
もちろん七五三の参拝者もたくさんおり、着慣れない着物を着た親と子供たちをたくさん見かけた。

混雑した本殿でまずお参りをしてから奥へむかう。
もちろん今日も「大御心」を引いた。

奥の芝地に着くとたくさんの人でにぎわっている。

こんなにもいろいろな流派があるのかと思うぐらいたくさんの道場が参加しているが、それぞれが自分たちの武道を細々と守っている感じだ。以外にも日本人よりも外国人の方々に関心が高いらしく、外国人の参加者も見学者もいる。

古武道協会の会長は根岸流手裏剣術の宗家だそうだ。
また山本流居合術の宗家でもいらっしゃる。

私の友人が以前習っていた「荒木堂柳生心眼流」は荒木又右衛門が流祖だという。これは木刀や棒を使っての型や素手で敵から身を守る護身術を披露していた。
http://www.kunpooan.com/arakido.html


ハイライトはやはり流鏑馬だろう。

鎌倉時代に始まったと言われるが、あくまでも奉納であるので馬場を清めたり太鼓をたたいたりその頃の衣装を身にまとい古式の行事にのっとり行われる。

鹿の皮を袴につけた射手も格好いいし、馬たちもきれいに飾りつけらている。なんといっても一直線に走る馬の上から弓を射る迫力は勇壮である。

見ていてこんなにおもしろいものだとは思ってもみなかったし、古くからある伝統や文化をきちんと評価して大事に守っていくことは必要であると痛感した。


なかなかその文化の担い手になることは難しいかもしれないが、まず知ることが必要なんじゃやないかと思う。

まず知る。
それを家族や友人に話す。
おもしろかったり感動したら、話を聞いた人にも印象に残るだろう。そうしたら、もしかしたらその人はどこかの道場に入門するかもしれない。


11月3日は毎年行われるようなので一度見に行っては如何だろうか
http://www.meijijingu.or.jp/japanese/event/index.html

火曜日, 10月 31, 2006

ダライ・ラマ



今でも興奮が冷めやらない。

実は今日ダライ・ラマ法王にとんでもなく近い距離でお会いすることができた。いろんな偶然が重なっておきた出来事だった。

少しほど前友人から連絡があり、写真家の松本榮一さんが36年にわたるダライ・ラマ法王との交流をまとめた新しい本を出版されたので販売を手伝ってくれないかという話だった。10月31日にちょうどダライ・ラマ法王が来日されるにあたり仏教界が主催した私的な講演会があり、その前後に新しい本を販売することになったわけである。

もちろん二つ返事で答えた私。

今から10年ほど前になるがアメリカに住んでいたおり、ちょうどダライ・ラマ法王の本を読んで興味を持っていたからである。あの頃法王はNYに滞在していたり、講演会を開いたりとアメリカにおいて話題になっていたし、ブックストアに行ってもたくさんの著作が並んでいた記憶がある。

講演も聴けるということだったので、とても楽しみで前日は眠れないぐらいだった。

私は当日の7時半集合ということだったが、作家の松本さんは前日から会場のホテルに入っていた。その時主催者のお坊様から、ダライ・ラマ法王が到着され、講演会が始まる前に仏教界の重鎮の方々の写真撮影をするのでそのときに写真を撮ってほしいと頼まれたそうである。

実際素晴らしいプロの写真家というものは、普段はカメラは持ち歩いてはいないそうである。
もちろんデジカメなんて持ち合わせがない。で、もう外出してしまったので当日私のデジカメで撮りたいとのこと。

もちろん助手(?)ということでその控室に入ることを許されたのだった。

会場に到着後まず控室のほうへ案内された法王は、とてもフレンドリーな感じだ。もちろんお坊様だけではなく一般には恐れ多くて、とてもじゃないけどなかなか話をするのも大変だろうという方であるのに、なぜか私にはとても親しみやすく感じたのだった。
あのいつも笑みを絶やさない笑顔としっかりとした話方からだろうか?彼の周りからはオーラというのかやさしいエネルギーを感じとてもうれしくなった。

お坊様達の写真を撮り終えた後、最後に松本さんがご自分の本を渡したところ、その本を開いた法王はとても懐かしそうな嬉しそうな顔をされた。
ちょうど開いたページになつかしい昔の写真をみつけたのだろう。
とっさに私は
" Can I take a picture ? "
と大胆にも声をかけてしまった。

ダライ・ラマ法王と松本さんの素敵なツーショットが撮れた。36年にわたる二人の交流とそれまで築かれた確かな事実がしっかりと映った写真になったと思う。

その後のダライ・ラマ法王の講演もとても興味深かった。

< 世界平和についての話 >

一人一人の徳は小さいけれど、みなが集まれば大きな功徳になる。お互いに学びあえばいいのだ。

世界平和には非暴力と慈悲の実践が必要。

慈悲とはどんな生き物にも自然に備わっているもの。「幸せになったらいいな~」という感情が慈しみである。

愛、慈悲は生き延びてくためには必要である。怒り、嫉妬、プライドは生きていくための妨げになる。
これらはひとつの対象に対してどちらかにしか働かない。これは同時では起こらないということだから愛を増やすには憎しみを減らしていくこと。

平和を望むなら心の持ちようを変えていかなければならない。
それにはCompassion(思いやり)が必要で、心の中の内なる平和をもとに達成されなければならない。このCompassionをもてるよう心の修養が必要である。

この修養には宗教的な支援と宗教とは別の支援がある。

どうやって愛情を育てるのか。
命あるものは母の子宮から生れ落ちて、まず最初に母の心からの愛情によって人生の第一歩を歩む。母の愛情は大事で不可欠である。従って、Promotion of compassion(思いやりの促進)が教育なのである。


宗教的な支援は仏教哲学の話になり、少し難しかったので一般的な話に留めておこうと思う。

ダライ・ラマ法王は今はなきチベットの政治的王であり、宗教的な法王なのである。中国による実行支配後、亡命、チベット亡命政府樹立と幾多の苦難を経験し、チベット難民のために活動をしているダライ・ラマ法王は非暴力と慈悲の実践で中国と立ち向かおうとしている。
http://www.tibethouse.jp/international/index.html

暴力に対して暴力ではなく、それを乗り越え非暴力で対話をする人。人間としての進化をはるか先をいっている人だと思う。
いや、人ではないのかもしれない。

現状を思うと、このやり方でないと暴力の連鎖はなくならないし、前には進めない。民族、宗教を超えて地球規模で物事を考えるしか紛争はなくならない。

実際はそんな甘いものではない、相手が攻撃してきたらどうする!とうい議論になってしまうところを、心で解決できればいいのにといつも思う。

ちょうど今亡命チベット人の少年僧が中国兵に撃ち殺された衝撃の映像が世界中を駆け巡っている。
http://www.tibethouse.jp/news_release/2006/061022_refugees.html


個々人としてはまず慈悲の実践を日々行うことだろう。



*松本榮一さんの本 「聞き書き ダライ・ラマの言葉」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140881941/hatena-22/ref=nosim


*ダライ・ラマ法王は11/1-9まで広島でレクチャーをされ、11/10に両国国技館で講演をされます。
http://www.tibethouse.jp/dalai_lama/2006japan/

月曜日, 10月 30, 2006

Ludwig



ヴィスコンティの「ルートヴィヒ」(完全復元版)を見た。ヴィスコンティの生誕100年祭のイベントで上映だったのでノーカットで240分。もともとヴィスコンティが一番見せたかった長さのものだそうだ。
なので、気合を入れて見にいった。
http://www.cinemabox.com/schedule/times/


間に15分のの休憩があったが、もちろんどちらのハーフもおしりが痛くなった。でも大画面で美しい映像を見ていると飽きない。

この映画は、19世紀のバイエルン国王ルートヴィヒII世の話である。彼は18歳で即位するのだが、政治で活躍するというよりルネサンスの時代の君主のような王だった。芸術を愛しパトロン的であろうとして、ワーグナーに心酔し、いとこであるオーストリアの美しい皇后エリザベートを慕うが思いはかなわず芸術と孤独に逃避していく。

かの有名なノイシュバンシュタイン城を築城したのも彼である。国庫をつぶしそうになるぐらい城もをたくさん作った。民衆と軍には慕われている王だったが、最後は精神病と診断され湖で溺死をする。ちょうど歴史的にもドイツを統一しようというときだったので、その死についても謎に包まれている。

Ludwig
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Suzuran/5107/ludwig.html
↑よくまとまってました。


彼はとてもハンサム。いとこのエリザベートもヨーロッパ一の絶世の美女といわれていたので美男美女を輩出する家系だったのだろう。でも、近親婚が多く精神的におかしくなるものもたくさんいたようである。 実際彼の弟のオットー1世もそうだった。

ヴィスコンティのこだわりは、ルートヴィヒに縁のある土地や城をもとめ、あの時代の王侯貴族の生活を美しく忠実に描いてる。彼自信もイタリアの貴族なので、その美的センスは一品なのである。

以前みた「山猫」もシチリアの没落貴族の話だが、とにかく美しい。
どちらも落ちていくなかの美学というか斜陽を美しく描いていると思う。
http://www.crest-inter.co.jp/yamaneko/index2.html


また、配役も衣装もばっちりである。ルートヴィヒ役のヘルムート・バーガーはそっくりで美しいし、装飾や衣装もあの時代のそのままを切り取ってきたように素敵である。

ちょっとマニアックすぎる映画なので気軽には見れないが、あの時代の背景や美術、歴史をみる勉強にもなる。



そういえば最近は受験のために必修の世界史をやってなくて卒業できないかもしれない高校3年生がいるという。受験のために試験に出ない科目は勉強したくないからカリキュラムからはずしてしまったそうである。

世界史を学ばないと旅行にいってもつまらないし、日本も見えてこないと思うけど!

木曜日, 10月 26, 2006

Baden-Baden


先日北海道の定山渓に紅葉を見に行った。
紅葉のメッカのようなところなのでさすがにとても綺麗だった。

ただ泊った宿が、まあ大型温泉ホテルにしてしまったので食事はX
温泉はよかったが内湯の大浴場が「メルヘン宮殿風呂」とかいう、笑っちゃう名称のものだった。
もちろんローマ風の大理石っぽい仕様だけど、かなりお粗末な感じだった。

そこで思い出したのが、去年ドイツに行ったときに訪れたBaden-Baden。

町全体が湯治場といっても日本のようなおじいちゃんが長逗留する感じではなく
カジノなどの娯楽施設やレストランもかなり充実していて、温泉療養で長期間過ごしても飽きさせないようになっている。

なるほど、モーツァルトの奥方のコンスタンツェが療養に行ってわけだ。
ちなみに日本では「クアハウス」ってSPAみたいなイメージがあるけど、もともとはBaden-Baden発祥らしい。カジノなどの娯楽施設を備えた場所のこと指すそうである。

Baden-Badenには二つの有名な温泉がある。

ひとつは1877年開業という歴史の古いフリードリヒスバート。
こちらは水着を着用しないで全裸入浴の温泉施設で当然混浴。
http://www.roemisch-irisches-bad.de/

もうひとつはカラカラテルメといって温泉天国というか子供たちが遊べるようなプールみたいな施設で水着着用が基本。

両方行ってみたが、お勧めはなんといってもフリードリヒスバート。
はじめは全裸ということでちょっとひるんでしまったが、入浴後の気持ちよさは抜群だった。

入浴の順序が番号順になっていて番号の通りにすすんでいけば入浴コースが一通り終わる。

まず最初に体を綺麗に洗ってから低温サウナ、高温サウナ、アロマ入りのミストサウナのあとに低い温度の温泉、そのあと徐々に温度を上げていくが日本の温泉のような高温のところはない。
だいたいぬるいかなっていう感じのお風呂にゆっくり長時間つかる。

最後のお風呂までは男女別なのでいいのだが、最後は天蓋のあるかなり大きなローマー風のお風呂で混浴だった。

さすがにここに入るのは勇気がいったが、誰も何も気にしてないの様子だったのでのんびり入ることはできた。(でも日本人の男の人がいたら別かな?? あの時はいなかったからよかったけど。)

最後のお風呂からあがったら、クリームタイムというのがあって、全身にクリームを自分で塗る。

そして最後がお休みタイム。

天井の高い大きな丸い部屋に放射線状にベッドが並んでいるので、そこに横たわるとおばさんがやってきて、まるで蓑虫のように毛布で包んでくれる。

そう、まるで子宮の中にいるような気分で、超リラックスしながら30分お休みするのだ。

もう。それは至福の時だった。

ぬるいお湯にかなりの長時間つかるのは、かなりリラックス効果が高い。
で、ゆっくり横になるとまた格段に効果が高くなる。

ドイツに行かれる方は、ちょっと足をのばして温泉療養にでかけたらいかがでしょうか?
かなり満足度高いです。


*ちなみにこちらはお勧めホテル↓
Steigenberger Europaischer hof

クアハウスの目の前で朝食がとってもおいしかったです。
http://www.europaeischer-hof.steigenberger.com/servlet/PB/menu/1003545_l1/index.html

火曜日, 10月 17, 2006

代理出産

最近ニュースを賑わしている「代理出産」。

諏訪の根津院長の会見はなぜか私にはうさんくさいものを感じさせる。
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/
20061015STXKA014415102006.html


子宮摘出など物理的に子供ができない夫婦にとっては、こういう院長がいると朗報なのだと思うがそもそもすごーく不思議。

遺伝的には夫婦の子が祖母のお腹の中で大きくなってこの世に生まれてくる。
もちろん、出生後の家族関係や子供にどう伝えるか等いろいろ問題はあると思うが、お腹の中の赤ちゃんはすでにいろいろ聞いてるし感じていると思う。
母ではない人のお腹の中で。


お腹から出てきた瞬間にそのときのことは忘れてしまうかもしれないが、潜在的に何か自然ではないものをもちながら生まれてくるような気がする。

自然の摂理に逆らって人間が手を加える。
何か根津院長を見ていると、自分を神と錯覚してしまってはいないだろうか?とそんな気がしてくる。

子供が欲しくてたまらない夫婦は、彼のところに参ってお願いするのだろうか?
その願いを聞き入れて実行するかどうかは彼がオプションを持っているのだから。

そして彼が一方的に成功例を公表しているだけなのだから、他にもいろいろ例はあるんじゃないかと勘ぐってしまう。



愛し合う二人がその結晶としても子を願うのは当たり前だし、それが叶わないとすればとても悲しいことだと思う。でも、そうなら他にいろいろと違う生き方もあるはずだ。

養子縁組をするとか里親制度によって子を育てるとか。
親の暴力によって実の親とは離れて暮らさざるを得ないというような子供たちも増えているというから、そのような子達を引き取るとか。

でも、自分たちの遺伝子を残したいと思っている二人には、所詮戯言と言われてしまうかもしれない。


生殖補助医療の一線をどこに引くのか?
今日は少子化担当相も乗り出してきた。
http://www.chunichi.co.jp/00/sei/20061017/eve_____sei_____002.shtml

倫理的な問題だけではなく、臓器移植や代理出産については売買の対象になったりするので問題である。危険を冒して生活のために提供したり、トラブルになるのは避けられない。
だからちゃんとした法整備が必要と政府も言っているのであろうが。


ガリレオガリレイ以来 科学の進歩対人間 ”については悩ましい問題だ。


大いなる自然の一員たる人間として、もっと自然に任せて全てをゆだねる姿勢でいいんじゃないかと思う。

運任せというか神頼みというか・・・

日曜日, 10月 15, 2006

馳走啐啄

大好きな「馳走啐啄」に行った。
早くしないとマツタケの季節が終わっちゃう~と友達を誘った。

3年ほど前から行くようになった銀座にある京風茶懐石の店であるが、全部で18席ほどの小さな店である。初めて行った時から何を食べてもおいしくて裏切られたことがない。

秋も深まりおいしいものが出揃ってきたのとても楽しみにしていたが、今回もほんとうに秋のの味覚を堪能できた。おだしがちゃんと効いていて野菜中心のあっさりした味が私の好みなのである。

<この日のお献立>
レンコン饅頭
ずいきの煮もの
つぶ貝・しめ鯖・黄身の味噌漬け・銀杏・新いくら・ホタテの衣揚げ・鯛寿司
松茸と鱧のの煮もの碗
お刺身(ひらめ・かんぱち・ひらめのこぶ巻・みる貝)
いちじくの味噌田楽
かれいの焼き物
ぐじと舞茸の炊き合わせ
松茸ごはんと赤だし
栗とあずきの黒蜜がけ

どうでしょう!とっても秋らしいメニュー。松茸ははもちろんおいしかったけど、いちじくの田楽がとっても新鮮だった。

焼きなすのようないちじくに味噌がのってほんのり甘い。

レンコン饅頭ももちっとしていて胡麻豆腐のよう。

かれいは縁側がぱりぱりでほどよく焼けていておいしい。

しゃきしゃきっとした舞茸と京の味覚ぐじの炊き合わせはまさに絶品。

最後のデザートは丹波のくりと大納言に黒蜜がかかって美味。

ほんとに秋の味覚を満喫したディナーになった。
器の取り合わせもとても素敵。
これで1万円のメニューだけど、1万円以上の価値があると思う。

私の大のお気に入り。
とっても小さい店なので、予約する場合は早めに。

http://www.delicious.ne.jp/html/toku02/kiji02/kiji02_0112_09.htm


ちょっと古い記事だけど参考に。

木曜日, 10月 12, 2006

本沢温泉


日本の最高所にある(2150メートル)温泉にでかけた。

「温泉にのんびり出かける~」というわけにはいかず、蓼科の家からいくと山ひとつ登って降りないといけない秘湯である。

秋晴れの快晴の日、桜平という八ヶ岳の登山口を出発した。
ちょうど連休中ということもあり、普段はひっそりしている登山口も駐車スペースがないぐらい混みあっている。たぶん八ヶ岳を縦走する人たちが置いているのだろう。

八ヶ岳はかえでやななかまどの赤や白樺の黄の紅葉が始まっており、
さすがに前回の早池峰(岩手県)ほどの紅葉ではなったが山が色づき始めていた。

山登りにしては遅い出発だったので、降りてくる人はいたが登る人はいない。

通常、本沢温泉に行くには蓼科側ではなく、野辺山の奥の松原湖から行くルートが普通のらしい。
こちらからだと2時間弱なだらかな登りをゆっくりと登れば着くのだが、桜平からだと北八ヶ岳と南八ヶ岳の中間にある夏沢峠という峠を越えて下らなくてはならない。

下るということは、帰りは登るということ。
温泉入るのにやだな~とは思ったが、なんせ山間の秘湯なのだからしょうがない。

夏沢峠を越えると今度はどんどん降りる。
帰りのことを思うとこんなに降りないでよ!と思っていると、そのうち硫黄の匂いがしてきた。

これは近いと思いながらどんどん降りると河原のそばにある本沢温泉に到着。
http://www.mountaintrad.co.jp/honzawa/

ここの名物はもちろん日本最高所にあるかなりオープンな野天風呂「雲上の湯」。(600円)
でも、2メートル四方しかないし、混浴だし、着替えるところもないので断念。

男女別の内湯が山小屋の中にあるのでそちらを利用した。(800円)

白濁したかなり熱めのお湯だが、水で薄めたりせずそのままの源泉を使っているのでいろんな湯の花が浮いている。
こってりしてかなり効く~という感じだ。

以前青森県の酸ヶ湯(すかゆ)という温泉に行った時を思い出した。
あちらは真っ白なお湯だが、八甲田山の登山口にあり、千人風呂という木作りの大きなお風呂が有名である。
http://www1.odn.ne.jp/~sukayu/


白くてねっとりしてて、いい成分が体にじわじわ浸透してくる。

ああ、またあれを登って帰るのか~なんて思いながら、窓の外の紅葉をみながらゆっくり入った。


すっかり足の疲れもとれ、さわやかな気分で帰り道を登る。

あれ?登りなのに軽やかだ。
きっと温泉のおかげだ。

今度は雪のシーズンに反対側からゆっくり歩きながら1泊するのもいいなと思った。
雪道を歩くのは大好きなのだ。静かで音のない世界。

そのときはあの野天風呂に挑戦しよう!と思いながら、暮れなずむ秋の山道を帰った。

日曜日, 10月 08, 2006

十六夜



蓼科の家からみた昨日の月は素晴らしかった。

青白い光に照らされて、夜だというのにすべてがはっきりと見える。雲が少し流れていたが、時折真っ白で大きなお月様が雲の切れ目から完全に顔を出すと周りのすべてが月光ビームに当てられたように色が変わる。

もう10月となるとかなり寒くなる。
前日の中秋の名月があいにくの雨だったので、冬用のアウターを羽織って夕食後のお茶を外のテラスでいただいた。ちょうど、「たねや」の月見饅頭を手に入れたのでそれをつまみながら。

蓼科の家はまったくの林の中にあるので、いつもなら夜ともなると何も見えない。でも昨日は違った。月の光だけですべてが見える。吸い込まれそうな月を見ているだけで飽きない。

十六夜(いざよい)の月。満月の月よりもちょっと欠けた月

昔から日本人は完全な丸い月よりも少しだけ欠けた十六夜の月を風流で好んだそう。



今朝は素晴らしい秋の澄んだ青い空となった。

「じごぼう」というカラマツの根元に生えるきのこを採りに行った。一昨日に雨が降ったのでほんとうは昨日の朝取りに行くとよかったのだが、両親は私に取らせてあげようと1日待っていてくれたのだ。

そこにいくと必ずみつかる秘密の場所(と家族で思ってるだけ)があって、勇んで出かけたが行ったらほとんどなかった。たぶん昨日のうちに誰かが取ってしまったんだろう。

でも家の庭といってもカラマツの林なのだが、以外にたくさんみつかった。やはり人の家の庭まではとりにはこないからだ。

ついでに野生の栗も拾い、秋の味覚大集合!自然に感謝である。


(ちなみに写真のきのこはじごぼうじゃありません)

木曜日, 10月 05, 2006

sting

待望のニューアルバムが出た!

ポリスの時からの大、大、大ファン~なのだが、最近はいろいろ忙しいみたいでなかなかアルバムを作らない。

コンサートもなかなか来てくれないが、昨年に5年ぶりの来日したときはもちろん見に行った。
日本でコンサートをやるときは必ず見に行くのだが、あの時は武道館のアリーナのけっこう前のほうだったので、ばっちり見えて超エキサイトしたっけ~

もう50代半ばとは思えないぐらい体もしなやかでセクシーなのだ。
年とってますますかっこよくなっていくのはとても素敵だ。
ちなみに彼は私がやってる激しいヨガ(アシュタンガヨガ)をやってるので、しなやかだけどしっかり筋肉がついている。

なんて、去年の話はさておき、今回のアルバムは17世紀のイギリスの作曲家ジョンダウランドの古典をリュートと共に歌っている。
伴奏がリュートだけなので、彼の独特の素晴らしい歌声を思う存分楽しめるのも嬉しいが、ずっと聞いていると中世にタイムスリップしたような気がするぐらい、彼の声ははまっている。

リュートの音色も素晴らしいので、家でゆっくりしているときにどうぞ!

Sting

SONGS FORM THE LABYRINTH
http://www.universal-music.co.jp/classics/artist/sting/index.html

水曜日, 10月 04, 2006

出会い


早池峯神社にお参りに行くようになってから5年になる。
ある人から自分にゆかりのある神社だと言われたのが5年前の2月だった。

2月といえばかなりの豪雪である。
というのも、早池峯神社は岩手県の盛岡と花巻のちょうど中間あたりに位置している早池峰山(日本百名山にもなっている美しい山)に奥社を配している。

あのときは聞いてしまったからというか聞きたかったからなのだが、存在を知った以上お参りに行くしかないと雪の中をバスを乗り継ぎ、乗り継ぎ神社に向かった。

そういえば、あの日はよく場所がわからず最初に遠野にある里宮を訪れた。

新幹線の新花巻駅で下車し、釜石線に乗り換えて遠野まで行くのだが、その道中お腹の大きい妊婦さんと席が隣りになった。初めて会ったのに、なぜかいろいろと話をした。
なんでも、ご主人の転勤で東京から釜石に向かうところなのだが、初めての地ということや初めての出産等不安なことがたくさんあるという話だった。
その時私は彼女に言ったらしい。

「空気もいいし食べ物もおいしいだろうし赤ちゃんを育てるにはとってもいいところなんじゃない?、知らない土地での生活は夫婦二人の絆がきっと深まると思うからプラスのことが多いんじゃない?」

何気ない言葉がある人にとってはとてもプラスに働くことがある。
天上で神さまがそのときに必要ないろいろな役割を私たちに与えてくれているのかもしれない。

時の移り変わりも速いもので、そんな彼女もすでに転勤を終え、現在は第2子も誕生した。
そのとき以来年賀状の交換をするようになったのも素敵な縁である。


里宮へ行くには、バスで1時間近くかかり、おまけに帰りのバスが3時間後というすごいところにあった。

大雪の中帰りのバスを待つにはどうしたいいのかと悩んでいたら、バスの運転手さんが待つんだったら側の雑貨屋さんのお婆さんのところで待ったらいいと教えてくれた。

3時間という長い間薪ストーブを囲みながらいろいろな話をしながら待っていると、入れ替わり立ち代りいろんな人がやってくる。校長先生だったり、きこりのおじさんだったり、旅館のご主人だったり。もちろんバスの運転手さんもだ。
みんな暖と談をとりに来るのだ。なのでここはちょっとした社交場になっている。

ビールをいただいたりお餅をいただいたりしているとあっという間に時間が過ぎて帰りのバスの時間になった。

なんだか名残おしい感じのまま、白い月が雪を照らしてる中を町までもどったのだった。


そして今年も早池峯神社にお参りに行った。最近は本社へのお参りだけではなく、早池峰山の頂上まで登ることにしている。

早池峰山は1917mの高さだが1合目から登るのでけっこうきつい。最初は林の中を沢を渡りながら登るとあとはガレ場になり、そのうち鎖場なんてのも出てくる。

夏だとハヤチネウスユキソウというエーデルワイスの近似種が見られるが、今は真っ赤な紅葉が美しい。
http://www.city.hanamaki.iwate.jp/hayaren/index.php


下山した後は必ず温泉に行く。そうすればいっぺんに筋肉の疲労が吹き飛ぶからだ。
今回は花巻温泉峡の中の大沢温泉に行ってみた。ここは宮沢賢治や高村光太郎が通ったという古い由緒ある温泉だ。日帰りは500円で三つのお風呂が楽しめる。一番有名な古い露天風呂は混浴だったので、敢え無くパス。でも半露天の新しいお風呂もとっても気持ちよかった。
花巻温泉に行くならお勧め。
http://www.oosawaonsen.com/


その後はレンタカーを返して夜行バスの出発まで夜ごはんを食べれるところを探そうとタクシーの運転手さんに聞いてみた。
いつもは宮沢賢治が通ったとかいう「藪そば」というところに行っていたのだが、今回は双葉町にある「夜来香」(いえらいしゃん)という一口餃子の店を紹介してもらい暖簾をくぐった。

と、すでにかなり盛り上がっているグループとお店のご主人夫婦がいた。
山の格好をしている女性が一人なので目立つと思うが、グループの方々も地元の山好きな人たちだったもんだからとっても嬉しそうだった。

早池峰を4回登ってるのはやはり珍しいみたいだったので話が弾む。
またお店のご主人は「日本野鳥の会」の北上支部の方なのでやはり鳥のことや山には詳しく、奥様もとてもきさくで優しい方だった。

餃子もおいしくいただき、東北の山談義に大いに盛り上がったが、なんとそのグループの皆さんに夜行バスのバス停まで送ってもらい、おまけにバスが出る最後まで見送ってくれたのだ。

なんて素敵な人たちだろう。心があったかくなった。
毎年、早池峰には行くので来年も会えるかな?

生きているといろんなところでいろんな出会いがあって・・・ほんとに楽しい。
こういう縁は大事にしたいなって思う。

金曜日, 9月 29, 2006

松王丸


突然、歌舞伎を見に行きたくなって千秋楽に行った。9月の歌舞伎は、初代中村吉右衛門の生誕120年を記念して初代にちなんだ出し物だった。

急だったし、安い席でいいやと試しに一番安い2500円の席を取ってみたら、3階の一番後ろで、ちょうど幕見席(当日に1幕だけ券を買って見れるところ)のすぐ前だった。意外に舞台はよく見えたが、もちろん花道は見えない。
たぶん歌舞伎座自体が小さいから後ろでもちゃんと見えるのだ。これで十分!なんて思ったけどやっぱり座席が小さい。ひざ小僧は前の席のぶつかるし、4時間近い上演はかなりおしりが痛くなった。

いつもは2階の桟敷の上のまったりした席を取る。ここは畳の上に座椅子と座布団が置いてあるのだ。もちろん足も掘り炬燵式に下ろせる。この席はお気に入りで、東側をとったり西側を取ったりして友達と楽しむ。お値段は11,000円。もうひとつ下の段で舞台に近くなると15,000円になる。

最初の演目は「菅原伝授手習鑑」の中の「車引」。主人公は3人兄弟の松王丸、梅王丸、桜丸なのだが仕える主人が違うので争うことになる。隈取(くまどり)という顔のメイクが見事で、掛け声もすごい。衣装も美しいし、短いので外国人の方にみてもらうにはいい演目だなって思う。

だってイヤホンガイドがないとたぶん何を言ってるかわからないから、美しい舞台や役者のメイクや義太夫の音楽の調べを聞いてるだけで十分楽しい。

「菅原伝授手習鑑」
http://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/exp2/w/018.html


舞台の設定も御所の中で華麗だし、隈取を美しくしたメーキャップも歌舞伎らしい。
また不思議な演出なのだが真ん中にある御所車が分解して、まるで閻魔様みたいな藤原時平が登場したり、車の一部を兄弟で引きあう踊りが息が合ってすばらしかった。

歌舞伎の演出っておもしろい。お話自体昔の話、平安時代のことだけど、歌舞伎の舞台の中ではリアルではなく、一種のファンタジーというのか、誇張された幻想的な世界だ。怒っている人は赤い顔だし、家来の人は茶色い足に黄色の足袋を履いていたりと、それぞれのキャラクターごとに衣装やメーキャップが独創的でおもしろい。

荒事という演出様式があり、力強い演技の役に使われる。この立場の登場人物ははでなメイクや振り付けがある豪快な役回りなので、この場合は梅王丸が当てはまる。
http://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/exp2/w/058.html


また、三味線と義太夫が入ると夢を見ているような気がしてくる。なんというか、大きな絵本を見ているような感じだ。

歌舞伎の演目は昔の史実であったり、町人におこった喜劇や悲劇、美しい舞踊もありで江戸時代のスーパーエンターテイメントだったんだろう。

私も最近歌舞伎を見に行くようになったが、今まではなんとなく敬遠してきたところがある。

でも、席でお弁当食べててもかまわないし、こんなに安いお席があるんだからみんな気軽に行けると思う。 バレエやオペラよりもっと気軽だ。

日本の伝統芸能としてもっともっと日本の人も見るべきって思う。
なぜなら、日本の文化のエッセンスが凝縮されているから。

火曜日, 9月 26, 2006

銀ぶら

先日とうとう草履の底についているカバーがとれてしまい、修理をお願いしに銀座に出かけた。

白いエナメルの草履はずっと履けるようにとなんにでも合うようにと銀座の小松屋さんで、ずいぶん前に購入したものだが、とうとう底が取れてしまった。

こんなになるまで、よくもったと思う。 ほんとうはこんなになる前にちゃんとメンテナンスに出しておかないといけなかったのに、かわいそなことをしてしまった。

でも、さすが老舗。お店に入ると職人さんが待ち構えていて、即座に修理していただいた。
525円也。
老舗で購入するとその時は少し高いかな?と思っても、こうやって修理を重ねながら長いこと履けるのは自分にとっても、草履にとってもありがたいことだ。

その後中央通りをぶらぶら歩く。まさに銀ぶら。 久しぶりだったのだが、外国人の観光客が増えたのと宝飾品の有名ブランドが増えたのにびっくり。


そういえば、以前から「かな文字」をやりたいと思っていたのだが、道具がない!と思い鳩居堂に飛び込んだ。1階は紙やお土産で2階が書道具が置いてある売り場だ。

書道なんて子供のときにやった以来だったので、何をどう買えばいいのか??とまごまごしてしまった。だって、筆の種類もいたちやらたぬきやらとすごい数の筆がある。

ここでもさすが老舗のお店だ。 書道のエキスパートの方が親切にいろいろと教えてくれた。 彼の指導に従い、硯も大きめのいいものを購入した。こうすればずっと使えるし、かなだけでなく太字や漢字を書くときにも使えるからだ。
http://www.kyukyodo.co.jp/

そして、改装したばかりの銀座三越に行ってみた。
TVでも紹介していたが、あまりめだって変わった~というところはない。

私のお目当ては地下の食料品売り場。 新しい店に入れ替わってたりするからだ。

と、突然「栗きんとん」の文字が入ってきた。
なんと、恵那の寿やさんの栗きんとんが三越で買えるなんて!!
1月まで売ってるそう。あとは日本橋三越で買えるそうだ。

今までは通販でしか買えないと思ったものが、こんなに身近に買えるなんてとっても嬉しい。

上質の栗とお砂糖だけを固めたみたいな栗きんとんは、とっても上品な味でおいしい。 http://www.mitsukaru.net/enasuya/


やっぱり銀座の最後は、竹葉亭でうなぎかな?って思ったけど、もう遅かった・・・
8時までなんだよね~    残念。

でも、うなぎがあまり好きではなかった私が、ここのうなぎを食べてから食べれるようになったところ。 たい茶も絶品です。
http://www.unagi-chikuyoutei.co.jp/ginza.html

また、今度いこっと。

日曜日, 9月 24, 2006

金木犀



ここしばらく秋雨前線やら台風やらでぱっとしない天気が続いていたが、週間天気予報をみるとやっとお天気マークが出てきてた。
せっかくの晴れマークだし、その後の週末はまたぐずついたお天気になりそうだな~と思っていると母から連絡があった。「権現岳登りにいかない?」

これは私たちのNew Year resolutionでもある。
私の両親は今は蓼科に永住しており、八ヶ岳の山並みを日に何度となく眺めている環境にある。いつも見ている山に登りたいのは心情である。天狗岳、硫黄岳、赤岳と登頂し、次は権現岳だと今年の抱負にしていたのが、今回やっとチャンスがめぐってきた次第だ。

ルートは小渕沢にある観音平という登山口から編笠山経由権現岳の権現小屋に1泊、帰りは西岳経由で富士見高原に下りてくるというプラン。

この日は予想通り抜けるような青空で、申し分のない天気になった。観音平からは富士山がとてもよく見える。

年老いた両親と一緒なのでかなりゆっくりペースで登る。前回の北岳での高山病のことがあるので、荷物は軽く深呼吸をしながら登ったのでかなり調子がいい。

最初のうちは林間コースなので、木漏れ日がとても美しい。
この柔らかい日差しの中にいると心の中のわだかまりや執着をすべて解き放つことができるような気がする。自然の中のとても小さな自分、その一部だと感じるからだろうか?

しばらくするとオコジョに出会った。苔むした倒れた大木を巣にしており、その中から顔だしたり、ひっこんだりしながらこちらを見ている。こちらはもう大感激で、こんなチャンスはないので一生懸命デジカメを撮った。彼らも私たちにとても興味があるようで、怖がりながらも一緒についてきてかわいらしい。

そうこうしていると、だんだんゴロゴロの石だらけになりかなり急登になってくる。両親はかなり苦しそうだったが、なんとか編笠山までたどりつくことできた。

そこからみる赤岳、阿弥陀岳、権現岳はもうそこにあるぐらい眼前に迫ってくる。
下から見るのとはずいぶん違う。

ここでランチをとり、青年小屋を経由して権現岳を目指す。
途中、ほしがらすに出会った。この鳥は、カラスではないのだか声がからすの濁音みたいな声で鳴く。全体の色は黒いのだが尾にかけて白く、ごま塩のように見える。この鳥はハイマツ(高山に生える低木の松)の実を好物にしており、高い山でないとお目にかかれない。

高度を増すにつれ、秋の景色が濃くなっていく。ミヤマダイコンソウの葉が真っ赤に色づき、ゴゼンタチバナの赤い実が美しい。

そして、権現岳に近づくにつれて、足場も悪くなり、鎖場を何度か通り越し権現小屋に到着。一番心配だった父もなんとか無事到着できてよかった。(私も高山病にはならなくてよかった!)

この小屋から山頂まではすぐなので、荷物をおいてピークを目指した。
権現岳は下からみると3つのピークがちょうど屏風のように見えるのだが、たぶん横にあるギボシと旭岳とこの権現が一緒に見えるのだろう。

ピークはとても小さくて、落ち着いて座れる場所もなかったが、天空にいるみたいだ。 富士山も見えるし、北アルプス、御嶽、南アルプスすべてが見える360度のパノラマ・・

ほんとうに天気でよかった。でないとこんなに視界は広がらない。

この日は権現小屋に泊まり、翌日は西岳経由で下山した。


東京に戻りオフィスへの道を歩いていると、ふっと金木犀の香りがした。
山だけではなく、都会にも目に見えない秋の気配を感じた瞬間だった。

火曜日, 9月 19, 2006

煙が目にしみる

友人から25時から始まるクラブイベントに行かない?と誘いがあった。
その友達は子供の頃からJAZZが好きで大学でも研究会に入り、好きを仕事にしてしまった人である。以前は営業等で忙しくしていたが、最近はフリーで自分のペースで仕事をしている。

ジャズマンたちへの取材もライブを聞きに行くことになるが、一人じゃなんだからとたまに誘ってくれる。もちろんジャズだけでなくかなりの食いしん坊&グルメなので昔から一緒に食べ歩いている仲だ。

てっきり今回もジャズのライブとは思っていたが、始まる時間が25時だし、昼寝しなくちゃ!なんて思ってたが、あっという間に待ち合わせの9時になってしまった。


最近は夜遊びなんてしてないから、寝ちゃったらどーしよーなんて思ったり。

場所は?と聞くと「イエロー」だという。
クラブのはしりの頃ににはやった西麻布のイエローじゃない。

まあ、24時ぐらいに行けばいいよねということで、近くの「まめ彦」でおでんを食べて腹ごしらえをする。(ここはきものデザイナーのきよ彦さがやってるおでんやさん。彼の活けるお花がいつも素敵だ)

なんていいながら、いい時間になったのでイエローに向かう。
入り口はかなり並んでいる。夜中の12時だというのに、すごい人だ。まあ、連休中ということもあり、みんな朝まで遊ぶんだろうな~

もちろんIDチェックはなかったけど(笑)友人はボディチェックを受けていた。ほとんどが20代の若者たちばっかりだから、私たちは珍しい。

この日はロンドンからGilles PetersonというDJが来日しており、そのクラブイベントで混んでいるそう。そういえば、J-Waveで彼をfeatureした番組があったな!と思い出した。たまに聞いたりしたことがあるので、生の彼のDJぶりを聞くのも楽しそうと思ったが、彼のライブは26時だそう。

う~ん、起きていられるだろうか??

とはいえ、お目当てのライブが始まるまで飲みながら待っていたのだが、どんどん、どんどん人が押し寄せてくる。と、同時にすごい喫煙率。来る人来る人みんなが吸ってるみたいで、まわりの空気がだんだん薄くなってきているようだ。

最近の若者はみんなたばこ吸ってるんだろうか?日本も吸えるところは少なくなってきているはずだが・・・クラブにいったら吸わなきゃいけないと思ってるのかな?

私たちの学生時代、まあ、ディスコの全盛時代だったわけだが(マハラジャとかKing&Queen)、こんなにみんな吸ってたっけ?スペースがもうちょっと広かったということもあるし、大人がちょっと割り増ししていけるVIPルームなるものがあったりして、いろいろ住み分けができていてそれなりにいろんな層の人たちが楽しんでいた気がする。

イエローはというと、狭いスペースにすごいたくさんの人たちがひしめきあっているところで、ほとんどの人がたばこ吸ってるってこと。

久しぶりの夜遊びだったけど、煙が目にしみて、早々に引き上げてしまった。

Smoke gets in your eyes ♪

土曜日, 9月 16, 2006

La Marie jeanne


以前からずっとヘアカットの友達から一緒に行こうと誘われていたビストロにやっと行く機会ができた。

パリでずっとソムリエールとして活躍していた斉藤さんという素敵な女性が友人と始めたビストロである。銀座という場所柄お値段もなかなか気を張るのかと思いきや、メニューをみたところなかなかGOODな感じだ。

まずはウェルカムのスパークリングワインをサービスしていただいた。
それをちびちび飲みながら、ゆっくりとワインリストを見る。

いつも思うのだが、欧米のレストランに行くと大体30分は友達とわいわいしゃべりながらメニューを決めている。その間にパンをかじったり、食前酒を飲みながらゆっくりとメニューを決める。

そういうのってすごくいいと思う。
久しぶりに友達と会うときなんてメニューより、まず話すことがいっぱいあったりするからだ。そういうゆっくりとした時間を大事に食事をするのってすごくいい。とてもリラックスできるし、食事も会話も心から楽しむことができると思うから。

マリージェンヌのワインリストには、グラスで飲めるワインもたくさんある。わからなければ、斉藤さんに相談すれば、どんな感じを言うだけで彼女がとびきりのワインを選んでくれる。

実は私の友達が去年からヴァンクールというオーガニックワインのインポーターをしており、マリージェンヌにも入っているというから、そのワインも飲めるかな?と楽しみにしてきたのだ。
ヴァンクール
http://www.vinscoeur.co.jp/

ミネラルをたっぷり含んだオーガニックワインってほんとうにおいしい。
お世辞じゃないけど、ヴァンクールが選ぶワインは気軽に買えるし、体が喜ぶワインだと思う。

今回はたまたま斉藤さんが選んでくれたワインがヴァンクールのワインだったからびっくり。
ラベルに魔女の絵が描いてあるラブリーな「mas d'agalis」

お料理もワインに合う料理をちょこちょこと選べるようになっている。
リエットやピクルス、ラタテュイユ、田舎風パテなどをつまみながらいろいろと飲める。

料理に合わせたり、ワインに合わせたりとなんでも相談しながらいろいろ楽しめるので、あっという間に時間がたってしまう。私たちは7時に集合してあっという間に11時になってしまった・・・

最後にメニューの中のマールの種類に驚いた。
(ぶどうでできたブランデーって思えばいいのかな?)
最近はデザートワインとして飲むことが多いが、あまりにたくさんあるので選んでもらった。太陽をいっぱい含んだぶどうの味を感じながらグラスの中の黄金色を見てると夢見心地の気分だ。

とかなんとかいって、時間を忘れかなり長居をしてしまったが、とっても気軽なビストロなので、会社の帰りに1杯飲んで帰ってもよさそう。
女一人でも斉藤さんがいるの頼もしい。

最近のいちおしビストロだな!!

La Marie jeanne
http://www.lamariejeanne.com/

木曜日, 9月 14, 2006

インド式教育

朝のワイドショー番組でのこと。

5歳の娘の進学先をインド人学校にしようか迷っている母親が登場していた。
すでに進学させている親に聞いたり、インド人の家庭を訪問したりして様子を聞いていた。

なんでも、インド式の教育はすごいというレポートだった。
たしかに数学は九九ではなくて20X20を暗記させるし、1教科の時間は30分なのだが休み時間はなくすぐに授業は始まる。

1教科が短いので子供は飽きないそうである。

それにすごい量の教科書を机の上にのせて、お弁当を食べながら勉強している子もいた。
週の初めに卸した鉛筆の短さをクラスメートと競っている子もいる。

「なんでそんなに勉強するの?」という問いに
「大物になりたいから」
なんて答えるインド人の子供たち。

その答えにはインドにおける状況、社会的なことが影響していると思うから当然だ。

でも、そんな学校に入学させたいと思っている日本人の親がいる。
単純に英語ができるようになって、インド式の猛烈勉強スタイルがいいと思ってるからだろうけど子供とコミュニケーションが取れなくたったらどうするのだろう。

どうみても英語はしゃべれないようだし、勉強をみてあげることもできない。
まして、日本人としてのアイデンティティはどうなるのだろう?

海外に長く住んでいた帰国子女の友達は、自分は何人だろうか?と二つの国の間で悩む人は多いのに、わざわざそういう環境に子供を入れたがる親の気持ちはわからない。

国際結婚などでどちらかが外国人であったりする場合は、両方の親の言語や文化を学ぶ必要はあると思うが、小学校からまったく縁のない文化圏の学校に入れると親との関係は微妙だ。

両親がしっかりと日本の文化や教育、習慣を身につけさせる自信がないと子供たちの未来はどうなるのだろう。

優れたインド式の教育だったら日本の教育現場に取り入れればいいのにと思う。

月曜日, 9月 11, 2006

明治神宮


8月に南アルプスの北岳~間ノ岳~農鳥岳の縦走をした。
3年ほど前から山登りに行くようになり、いくつかの山行きを経験したが、今回のようなテントでの縦走は初めてだった。

以前3000メートルを超える高山に登ったときも、息があがり高山病になりやすいということもあったが今回は15キロ以上のザックをしょいながら3泊のテントはかなりハードだったらしく、なんとか完遂したものの下山した翌日からひどいむくみを経験した。
(足がサリーちゃんの足または象さんみたいにパンパンに腫れたの~)

体力や脚力には自信があったけど、高山病だけは生まれつきらしく、高い山に行くときはハードスケジュールはやめようと思った。

なぜ、山に登るのか?

私の場合、ピークを征服したいという欲求はない。
なぜか、山の緑の中にいると落ち着くのだ。

もしかしたら、前世は山伏だったかも?しれない。

でも、8月の南アルプスはすばらしく、高山植物の図鑑にある花はほとんど咲いているんじゃなかろうか?というぐらい可憐な花がたくさん咲いていたし、雲海の上に上る朝日を見るのも高い山に登らないと経験できないだろう。

前置きが長くなったが、この山行きから帰って以来、今までの疲れ?も相まってか、体の調子が悪く、お酒も飲めなくなってしまった。
(最近友人と会社を創業し、打ち合わせと称してかなり飲んでたかも・・)

かなりエネルギーが低下してしまっているように感じたので、明治神宮にお参りにいくことにした。
神社は高いエネルギースポットに建てられているので、こんなときはお参りにいくに限る。

明治神宮に行くときは必ずといっていいほど、よく晴れる。
貫けるような青空に心も澄み渡る。

休日の原宿駅の近くは例のゴスロリとかコスプレの女の子がたむろしていて、すごい人だかりだ。最近は日本を旅行する外国人たちの観光スポットになっているようだ。
こんなに暑いのに大変だなと横目でみながら鳥居に向かう。

鳥居を超えると別世界。
さっきまでの喧騒がうそのようだし、温度も2、3度違うようでとても涼しい。
上を見上げると本殿に向かう道の上がちょうどぬけていて青空が見える。
いつも思うのだが、木々に囲まれた天の川のようだ。

日曜だったこともあり、神社にいる人はほとんど観光客でお参りに来てる人は少ない。

お参りを終えるといつもおみくじをひく。
おみくじといっても、ここのは「大御心」といって、明治天皇と昭憲皇太后のお歌なのだ。

だいたい、いつもその時に必要な適切な歌を下さる。
不思議だな~と思うのだが。

この度の歌: 峯

「大空にそびえて見ゆるたかねにも、登ればのぼる道はありけり」

(大空に高くそびえ立っているけわしい峰々にも、登っていけば、自然と登り得る道はあるものです。只必要なのは、頂上を究めなければ止まない勇気と努力とです)


すごいと思いません?


山の頂を思い出した。

こういうことがあると、神様は人知れず見守っていてくださるのだな~って思う。

誰でも心身ともに疲れちゃうときってあると思うけど、そんなときはお勧めです。
明治神宮のお参り。

木曜日, 9月 07, 2006

Neo-Japonism

先日、裏千家の大宗匠(前の家元のこと)主催の国連親善パーティでのこと。

私は学生時代からずーと茶道を習っていた縁もあり、先生に連れて行ってもらいました。
お茶の会なので、お茶を飲んで、立食パーティで終わりかなと安易に考えていたのが見当違いで
大宗匠と元NHKのアナウンサーの磯村さんの講演が2時間もありとても貴重な話が聞けたので紹介しますね。

磯村さんはNHKの特派員等で活躍してたのですが、もう11年前にリタイアし、今までパリの日本文化会館の館長を務められていたそうです。そのときのエピソードをいろいろ話していました。

文化大国としてフランス人は日本に対して昔から憧れがある。

昔はJaponismといってゴッホが浮世絵に傾倒したり、日本の芸術、文化に対する造詣が深かったが、現在はまた違った意味で日本の文化に興味がある。
というのは、漫画やコスプレのことである。
今ではフランス人がフランス人のためのJapan EXPOを企画したり、フランスの小学生は日本語で漫画を読んでいるそう。これを題してNeo-Japonismと呼ぶそうである。

なぜこんなに魅了されるのか?

・美的センスがある
・自然との共生  ex. 宮崎 駿
・漫画のストーリーが複雑
・勧善懲悪ではない

これって日本文化のもっているいいところで、多様性があり核心がある。
こういう感覚をもっと政治に利用したらいいのではないか?

ここでやはりマスコミ出身の方なので、最近の日本は国際的には非常に悪い、一番人気がない(これって単に中国のこといってるの??)戦争を美化する右傾化の傾向があると言ってました。

おもしろかったのがシラク大統領のエピソード。
彼はすごいエリートの出身だそうですが、家庭教師が日本通だったこともあり、かなり日本文化に傾倒しており、「奥の細道」や「万葉集」を読んだりしてるそう。

村山首相のころに日本を訪問した時、歓迎の意をこめて迎賓館に縄文土器を飾っていたそうですが、そこについていた年代の間違いを指摘したそうです。紀元前600年とあったそうですが本当は紀元前6000年が正しかったのです。その後の懇親会でもどの閣僚も日本文化の話をうまくできなかったそうです。

こういう話を聞くと恥ずかしいですよね。

マニアックになることはないけど、自分の生まれた国であり、すばらしい文化を持っている日本のことをもっと好きになって、少しずつでも知る勉強していかなくてはと思います。

でないと、対等に他の国の人とも話ができない気がする。


最後に大宗匠の話。

大宗匠は第二次大戦のとき特攻隊にいたときに終戦を迎えて生き残った経験があり、戦後は茶道を通して国際交流を広げていったそうです。実際世界各地に支部があったり、外国人の方たちが茶道に興味をもってお稽古をしていたりとかなりその成果はあるようです。

とくに「一盌からピースフルネスを」をモットーに世界各地を回って献茶(仏様にお茶を捧げることだけど
いろんなところでやってます)をしています。お茶を通して世界平和を伝えてらっしゃるのですが、講演の中でも、お茶には和があり人に安らぎを与える。人はもっともっと交流しないといけない。そうすればもっと世界は平和になると言ってました。

裏千家HP
http://www.urasenke.or.jp/

水曜日, 9月 06, 2006

自分を信頼する

とうとうブログスタートです。
タイトルの「Carpe Diem」はホラティウスの詩の一節にある言葉ですが、ラテン語で「今を生きる!」という意味です。

これは私の信条としている大好きな言葉なのでタイトルにしちゃいました。
人生は一度しかなく今という一瞬は二度とこない。過去に執着せず未来を思い悩むことなく”今”というこの時を一生懸命行きよう!
そういう生き方のためのエッセンス、私の思いを伝えていけたらと思ってます。

とはいえ、毎日の生活や今までの経験、感じたことをツラツラと思うままに書くことにはなりますが、どうぞよろしく!

ところで、タイトルの「今を生きる」っていう映画があります。英語だと[Dead Poet Society]。ロビン・ウィリアムスがアメリカの名門高校の先生役で出演しているのですが、これがハチャメチャな先生(彼のそのままキャラって感じです)で、子供たちに本当にやりたいことを今やりなさい!ということを導いていく話です。http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005FXH5

この話もそうですが、今やりたいと少しでも思ってることがあれば、失敗を恐れずにやってみましょうということ。私もいろいろと経験してみてよく思います。
少しでも興味があるって時は、やってみて損はないと思います。少々のことだったらやり直しもきくし失敗の経験は人間としての厚みもますのでは?

それでも悩むときは、「ハートに聞け」ですね。胸に手を当てて考えてみると、けっこうわかります。体って正直!いやなときは気分はいやだし、いいときはうきうきしたりします。

ということは、自分を信頼することにもつながりますね~