火曜日, 10月 31, 2006

ダライ・ラマ



今でも興奮が冷めやらない。

実は今日ダライ・ラマ法王にとんでもなく近い距離でお会いすることができた。いろんな偶然が重なっておきた出来事だった。

少しほど前友人から連絡があり、写真家の松本榮一さんが36年にわたるダライ・ラマ法王との交流をまとめた新しい本を出版されたので販売を手伝ってくれないかという話だった。10月31日にちょうどダライ・ラマ法王が来日されるにあたり仏教界が主催した私的な講演会があり、その前後に新しい本を販売することになったわけである。

もちろん二つ返事で答えた私。

今から10年ほど前になるがアメリカに住んでいたおり、ちょうどダライ・ラマ法王の本を読んで興味を持っていたからである。あの頃法王はNYに滞在していたり、講演会を開いたりとアメリカにおいて話題になっていたし、ブックストアに行ってもたくさんの著作が並んでいた記憶がある。

講演も聴けるということだったので、とても楽しみで前日は眠れないぐらいだった。

私は当日の7時半集合ということだったが、作家の松本さんは前日から会場のホテルに入っていた。その時主催者のお坊様から、ダライ・ラマ法王が到着され、講演会が始まる前に仏教界の重鎮の方々の写真撮影をするのでそのときに写真を撮ってほしいと頼まれたそうである。

実際素晴らしいプロの写真家というものは、普段はカメラは持ち歩いてはいないそうである。
もちろんデジカメなんて持ち合わせがない。で、もう外出してしまったので当日私のデジカメで撮りたいとのこと。

もちろん助手(?)ということでその控室に入ることを許されたのだった。

会場に到着後まず控室のほうへ案内された法王は、とてもフレンドリーな感じだ。もちろんお坊様だけではなく一般には恐れ多くて、とてもじゃないけどなかなか話をするのも大変だろうという方であるのに、なぜか私にはとても親しみやすく感じたのだった。
あのいつも笑みを絶やさない笑顔としっかりとした話方からだろうか?彼の周りからはオーラというのかやさしいエネルギーを感じとてもうれしくなった。

お坊様達の写真を撮り終えた後、最後に松本さんがご自分の本を渡したところ、その本を開いた法王はとても懐かしそうな嬉しそうな顔をされた。
ちょうど開いたページになつかしい昔の写真をみつけたのだろう。
とっさに私は
" Can I take a picture ? "
と大胆にも声をかけてしまった。

ダライ・ラマ法王と松本さんの素敵なツーショットが撮れた。36年にわたる二人の交流とそれまで築かれた確かな事実がしっかりと映った写真になったと思う。

その後のダライ・ラマ法王の講演もとても興味深かった。

< 世界平和についての話 >

一人一人の徳は小さいけれど、みなが集まれば大きな功徳になる。お互いに学びあえばいいのだ。

世界平和には非暴力と慈悲の実践が必要。

慈悲とはどんな生き物にも自然に備わっているもの。「幸せになったらいいな~」という感情が慈しみである。

愛、慈悲は生き延びてくためには必要である。怒り、嫉妬、プライドは生きていくための妨げになる。
これらはひとつの対象に対してどちらかにしか働かない。これは同時では起こらないということだから愛を増やすには憎しみを減らしていくこと。

平和を望むなら心の持ちようを変えていかなければならない。
それにはCompassion(思いやり)が必要で、心の中の内なる平和をもとに達成されなければならない。このCompassionをもてるよう心の修養が必要である。

この修養には宗教的な支援と宗教とは別の支援がある。

どうやって愛情を育てるのか。
命あるものは母の子宮から生れ落ちて、まず最初に母の心からの愛情によって人生の第一歩を歩む。母の愛情は大事で不可欠である。従って、Promotion of compassion(思いやりの促進)が教育なのである。


宗教的な支援は仏教哲学の話になり、少し難しかったので一般的な話に留めておこうと思う。

ダライ・ラマ法王は今はなきチベットの政治的王であり、宗教的な法王なのである。中国による実行支配後、亡命、チベット亡命政府樹立と幾多の苦難を経験し、チベット難民のために活動をしているダライ・ラマ法王は非暴力と慈悲の実践で中国と立ち向かおうとしている。
http://www.tibethouse.jp/international/index.html

暴力に対して暴力ではなく、それを乗り越え非暴力で対話をする人。人間としての進化をはるか先をいっている人だと思う。
いや、人ではないのかもしれない。

現状を思うと、このやり方でないと暴力の連鎖はなくならないし、前には進めない。民族、宗教を超えて地球規模で物事を考えるしか紛争はなくならない。

実際はそんな甘いものではない、相手が攻撃してきたらどうする!とうい議論になってしまうところを、心で解決できればいいのにといつも思う。

ちょうど今亡命チベット人の少年僧が中国兵に撃ち殺された衝撃の映像が世界中を駆け巡っている。
http://www.tibethouse.jp/news_release/2006/061022_refugees.html


個々人としてはまず慈悲の実践を日々行うことだろう。



*松本榮一さんの本 「聞き書き ダライ・ラマの言葉」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140881941/hatena-22/ref=nosim


*ダライ・ラマ法王は11/1-9まで広島でレクチャーをされ、11/10に両国国技館で講演をされます。
http://www.tibethouse.jp/dalai_lama/2006japan/

月曜日, 10月 30, 2006

Ludwig



ヴィスコンティの「ルートヴィヒ」(完全復元版)を見た。ヴィスコンティの生誕100年祭のイベントで上映だったのでノーカットで240分。もともとヴィスコンティが一番見せたかった長さのものだそうだ。
なので、気合を入れて見にいった。
http://www.cinemabox.com/schedule/times/


間に15分のの休憩があったが、もちろんどちらのハーフもおしりが痛くなった。でも大画面で美しい映像を見ていると飽きない。

この映画は、19世紀のバイエルン国王ルートヴィヒII世の話である。彼は18歳で即位するのだが、政治で活躍するというよりルネサンスの時代の君主のような王だった。芸術を愛しパトロン的であろうとして、ワーグナーに心酔し、いとこであるオーストリアの美しい皇后エリザベートを慕うが思いはかなわず芸術と孤独に逃避していく。

かの有名なノイシュバンシュタイン城を築城したのも彼である。国庫をつぶしそうになるぐらい城もをたくさん作った。民衆と軍には慕われている王だったが、最後は精神病と診断され湖で溺死をする。ちょうど歴史的にもドイツを統一しようというときだったので、その死についても謎に包まれている。

Ludwig
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Suzuran/5107/ludwig.html
↑よくまとまってました。


彼はとてもハンサム。いとこのエリザベートもヨーロッパ一の絶世の美女といわれていたので美男美女を輩出する家系だったのだろう。でも、近親婚が多く精神的におかしくなるものもたくさんいたようである。 実際彼の弟のオットー1世もそうだった。

ヴィスコンティのこだわりは、ルートヴィヒに縁のある土地や城をもとめ、あの時代の王侯貴族の生活を美しく忠実に描いてる。彼自信もイタリアの貴族なので、その美的センスは一品なのである。

以前みた「山猫」もシチリアの没落貴族の話だが、とにかく美しい。
どちらも落ちていくなかの美学というか斜陽を美しく描いていると思う。
http://www.crest-inter.co.jp/yamaneko/index2.html


また、配役も衣装もばっちりである。ルートヴィヒ役のヘルムート・バーガーはそっくりで美しいし、装飾や衣装もあの時代のそのままを切り取ってきたように素敵である。

ちょっとマニアックすぎる映画なので気軽には見れないが、あの時代の背景や美術、歴史をみる勉強にもなる。



そういえば最近は受験のために必修の世界史をやってなくて卒業できないかもしれない高校3年生がいるという。受験のために試験に出ない科目は勉強したくないからカリキュラムからはずしてしまったそうである。

世界史を学ばないと旅行にいってもつまらないし、日本も見えてこないと思うけど!

木曜日, 10月 26, 2006

Baden-Baden


先日北海道の定山渓に紅葉を見に行った。
紅葉のメッカのようなところなのでさすがにとても綺麗だった。

ただ泊った宿が、まあ大型温泉ホテルにしてしまったので食事はX
温泉はよかったが内湯の大浴場が「メルヘン宮殿風呂」とかいう、笑っちゃう名称のものだった。
もちろんローマ風の大理石っぽい仕様だけど、かなりお粗末な感じだった。

そこで思い出したのが、去年ドイツに行ったときに訪れたBaden-Baden。

町全体が湯治場といっても日本のようなおじいちゃんが長逗留する感じではなく
カジノなどの娯楽施設やレストランもかなり充実していて、温泉療養で長期間過ごしても飽きさせないようになっている。

なるほど、モーツァルトの奥方のコンスタンツェが療養に行ってわけだ。
ちなみに日本では「クアハウス」ってSPAみたいなイメージがあるけど、もともとはBaden-Baden発祥らしい。カジノなどの娯楽施設を備えた場所のこと指すそうである。

Baden-Badenには二つの有名な温泉がある。

ひとつは1877年開業という歴史の古いフリードリヒスバート。
こちらは水着を着用しないで全裸入浴の温泉施設で当然混浴。
http://www.roemisch-irisches-bad.de/

もうひとつはカラカラテルメといって温泉天国というか子供たちが遊べるようなプールみたいな施設で水着着用が基本。

両方行ってみたが、お勧めはなんといってもフリードリヒスバート。
はじめは全裸ということでちょっとひるんでしまったが、入浴後の気持ちよさは抜群だった。

入浴の順序が番号順になっていて番号の通りにすすんでいけば入浴コースが一通り終わる。

まず最初に体を綺麗に洗ってから低温サウナ、高温サウナ、アロマ入りのミストサウナのあとに低い温度の温泉、そのあと徐々に温度を上げていくが日本の温泉のような高温のところはない。
だいたいぬるいかなっていう感じのお風呂にゆっくり長時間つかる。

最後のお風呂までは男女別なのでいいのだが、最後は天蓋のあるかなり大きなローマー風のお風呂で混浴だった。

さすがにここに入るのは勇気がいったが、誰も何も気にしてないの様子だったのでのんびり入ることはできた。(でも日本人の男の人がいたら別かな?? あの時はいなかったからよかったけど。)

最後のお風呂からあがったら、クリームタイムというのがあって、全身にクリームを自分で塗る。

そして最後がお休みタイム。

天井の高い大きな丸い部屋に放射線状にベッドが並んでいるので、そこに横たわるとおばさんがやってきて、まるで蓑虫のように毛布で包んでくれる。

そう、まるで子宮の中にいるような気分で、超リラックスしながら30分お休みするのだ。

もう。それは至福の時だった。

ぬるいお湯にかなりの長時間つかるのは、かなりリラックス効果が高い。
で、ゆっくり横になるとまた格段に効果が高くなる。

ドイツに行かれる方は、ちょっと足をのばして温泉療養にでかけたらいかがでしょうか?
かなり満足度高いです。


*ちなみにこちらはお勧めホテル↓
Steigenberger Europaischer hof

クアハウスの目の前で朝食がとってもおいしかったです。
http://www.europaeischer-hof.steigenberger.com/servlet/PB/menu/1003545_l1/index.html

火曜日, 10月 17, 2006

代理出産

最近ニュースを賑わしている「代理出産」。

諏訪の根津院長の会見はなぜか私にはうさんくさいものを感じさせる。
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/
20061015STXKA014415102006.html


子宮摘出など物理的に子供ができない夫婦にとっては、こういう院長がいると朗報なのだと思うがそもそもすごーく不思議。

遺伝的には夫婦の子が祖母のお腹の中で大きくなってこの世に生まれてくる。
もちろん、出生後の家族関係や子供にどう伝えるか等いろいろ問題はあると思うが、お腹の中の赤ちゃんはすでにいろいろ聞いてるし感じていると思う。
母ではない人のお腹の中で。


お腹から出てきた瞬間にそのときのことは忘れてしまうかもしれないが、潜在的に何か自然ではないものをもちながら生まれてくるような気がする。

自然の摂理に逆らって人間が手を加える。
何か根津院長を見ていると、自分を神と錯覚してしまってはいないだろうか?とそんな気がしてくる。

子供が欲しくてたまらない夫婦は、彼のところに参ってお願いするのだろうか?
その願いを聞き入れて実行するかどうかは彼がオプションを持っているのだから。

そして彼が一方的に成功例を公表しているだけなのだから、他にもいろいろ例はあるんじゃないかと勘ぐってしまう。



愛し合う二人がその結晶としても子を願うのは当たり前だし、それが叶わないとすればとても悲しいことだと思う。でも、そうなら他にいろいろと違う生き方もあるはずだ。

養子縁組をするとか里親制度によって子を育てるとか。
親の暴力によって実の親とは離れて暮らさざるを得ないというような子供たちも増えているというから、そのような子達を引き取るとか。

でも、自分たちの遺伝子を残したいと思っている二人には、所詮戯言と言われてしまうかもしれない。


生殖補助医療の一線をどこに引くのか?
今日は少子化担当相も乗り出してきた。
http://www.chunichi.co.jp/00/sei/20061017/eve_____sei_____002.shtml

倫理的な問題だけではなく、臓器移植や代理出産については売買の対象になったりするので問題である。危険を冒して生活のために提供したり、トラブルになるのは避けられない。
だからちゃんとした法整備が必要と政府も言っているのであろうが。


ガリレオガリレイ以来 科学の進歩対人間 ”については悩ましい問題だ。


大いなる自然の一員たる人間として、もっと自然に任せて全てをゆだねる姿勢でいいんじゃないかと思う。

運任せというか神頼みというか・・・

日曜日, 10月 15, 2006

馳走啐啄

大好きな「馳走啐啄」に行った。
早くしないとマツタケの季節が終わっちゃう~と友達を誘った。

3年ほど前から行くようになった銀座にある京風茶懐石の店であるが、全部で18席ほどの小さな店である。初めて行った時から何を食べてもおいしくて裏切られたことがない。

秋も深まりおいしいものが出揃ってきたのとても楽しみにしていたが、今回もほんとうに秋のの味覚を堪能できた。おだしがちゃんと効いていて野菜中心のあっさりした味が私の好みなのである。

<この日のお献立>
レンコン饅頭
ずいきの煮もの
つぶ貝・しめ鯖・黄身の味噌漬け・銀杏・新いくら・ホタテの衣揚げ・鯛寿司
松茸と鱧のの煮もの碗
お刺身(ひらめ・かんぱち・ひらめのこぶ巻・みる貝)
いちじくの味噌田楽
かれいの焼き物
ぐじと舞茸の炊き合わせ
松茸ごはんと赤だし
栗とあずきの黒蜜がけ

どうでしょう!とっても秋らしいメニュー。松茸ははもちろんおいしかったけど、いちじくの田楽がとっても新鮮だった。

焼きなすのようないちじくに味噌がのってほんのり甘い。

レンコン饅頭ももちっとしていて胡麻豆腐のよう。

かれいは縁側がぱりぱりでほどよく焼けていておいしい。

しゃきしゃきっとした舞茸と京の味覚ぐじの炊き合わせはまさに絶品。

最後のデザートは丹波のくりと大納言に黒蜜がかかって美味。

ほんとに秋の味覚を満喫したディナーになった。
器の取り合わせもとても素敵。
これで1万円のメニューだけど、1万円以上の価値があると思う。

私の大のお気に入り。
とっても小さい店なので、予約する場合は早めに。

http://www.delicious.ne.jp/html/toku02/kiji02/kiji02_0112_09.htm


ちょっと古い記事だけど参考に。

木曜日, 10月 12, 2006

本沢温泉


日本の最高所にある(2150メートル)温泉にでかけた。

「温泉にのんびり出かける~」というわけにはいかず、蓼科の家からいくと山ひとつ登って降りないといけない秘湯である。

秋晴れの快晴の日、桜平という八ヶ岳の登山口を出発した。
ちょうど連休中ということもあり、普段はひっそりしている登山口も駐車スペースがないぐらい混みあっている。たぶん八ヶ岳を縦走する人たちが置いているのだろう。

八ヶ岳はかえでやななかまどの赤や白樺の黄の紅葉が始まっており、
さすがに前回の早池峰(岩手県)ほどの紅葉ではなったが山が色づき始めていた。

山登りにしては遅い出発だったので、降りてくる人はいたが登る人はいない。

通常、本沢温泉に行くには蓼科側ではなく、野辺山の奥の松原湖から行くルートが普通のらしい。
こちらからだと2時間弱なだらかな登りをゆっくりと登れば着くのだが、桜平からだと北八ヶ岳と南八ヶ岳の中間にある夏沢峠という峠を越えて下らなくてはならない。

下るということは、帰りは登るということ。
温泉入るのにやだな~とは思ったが、なんせ山間の秘湯なのだからしょうがない。

夏沢峠を越えると今度はどんどん降りる。
帰りのことを思うとこんなに降りないでよ!と思っていると、そのうち硫黄の匂いがしてきた。

これは近いと思いながらどんどん降りると河原のそばにある本沢温泉に到着。
http://www.mountaintrad.co.jp/honzawa/

ここの名物はもちろん日本最高所にあるかなりオープンな野天風呂「雲上の湯」。(600円)
でも、2メートル四方しかないし、混浴だし、着替えるところもないので断念。

男女別の内湯が山小屋の中にあるのでそちらを利用した。(800円)

白濁したかなり熱めのお湯だが、水で薄めたりせずそのままの源泉を使っているのでいろんな湯の花が浮いている。
こってりしてかなり効く~という感じだ。

以前青森県の酸ヶ湯(すかゆ)という温泉に行った時を思い出した。
あちらは真っ白なお湯だが、八甲田山の登山口にあり、千人風呂という木作りの大きなお風呂が有名である。
http://www1.odn.ne.jp/~sukayu/


白くてねっとりしてて、いい成分が体にじわじわ浸透してくる。

ああ、またあれを登って帰るのか~なんて思いながら、窓の外の紅葉をみながらゆっくり入った。


すっかり足の疲れもとれ、さわやかな気分で帰り道を登る。

あれ?登りなのに軽やかだ。
きっと温泉のおかげだ。

今度は雪のシーズンに反対側からゆっくり歩きながら1泊するのもいいなと思った。
雪道を歩くのは大好きなのだ。静かで音のない世界。

そのときはあの野天風呂に挑戦しよう!と思いながら、暮れなずむ秋の山道を帰った。

日曜日, 10月 08, 2006

十六夜



蓼科の家からみた昨日の月は素晴らしかった。

青白い光に照らされて、夜だというのにすべてがはっきりと見える。雲が少し流れていたが、時折真っ白で大きなお月様が雲の切れ目から完全に顔を出すと周りのすべてが月光ビームに当てられたように色が変わる。

もう10月となるとかなり寒くなる。
前日の中秋の名月があいにくの雨だったので、冬用のアウターを羽織って夕食後のお茶を外のテラスでいただいた。ちょうど、「たねや」の月見饅頭を手に入れたのでそれをつまみながら。

蓼科の家はまったくの林の中にあるので、いつもなら夜ともなると何も見えない。でも昨日は違った。月の光だけですべてが見える。吸い込まれそうな月を見ているだけで飽きない。

十六夜(いざよい)の月。満月の月よりもちょっと欠けた月

昔から日本人は完全な丸い月よりも少しだけ欠けた十六夜の月を風流で好んだそう。



今朝は素晴らしい秋の澄んだ青い空となった。

「じごぼう」というカラマツの根元に生えるきのこを採りに行った。一昨日に雨が降ったのでほんとうは昨日の朝取りに行くとよかったのだが、両親は私に取らせてあげようと1日待っていてくれたのだ。

そこにいくと必ずみつかる秘密の場所(と家族で思ってるだけ)があって、勇んで出かけたが行ったらほとんどなかった。たぶん昨日のうちに誰かが取ってしまったんだろう。

でも家の庭といってもカラマツの林なのだが、以外にたくさんみつかった。やはり人の家の庭まではとりにはこないからだ。

ついでに野生の栗も拾い、秋の味覚大集合!自然に感謝である。


(ちなみに写真のきのこはじごぼうじゃありません)

木曜日, 10月 05, 2006

sting

待望のニューアルバムが出た!

ポリスの時からの大、大、大ファン~なのだが、最近はいろいろ忙しいみたいでなかなかアルバムを作らない。

コンサートもなかなか来てくれないが、昨年に5年ぶりの来日したときはもちろん見に行った。
日本でコンサートをやるときは必ず見に行くのだが、あの時は武道館のアリーナのけっこう前のほうだったので、ばっちり見えて超エキサイトしたっけ~

もう50代半ばとは思えないぐらい体もしなやかでセクシーなのだ。
年とってますますかっこよくなっていくのはとても素敵だ。
ちなみに彼は私がやってる激しいヨガ(アシュタンガヨガ)をやってるので、しなやかだけどしっかり筋肉がついている。

なんて、去年の話はさておき、今回のアルバムは17世紀のイギリスの作曲家ジョンダウランドの古典をリュートと共に歌っている。
伴奏がリュートだけなので、彼の独特の素晴らしい歌声を思う存分楽しめるのも嬉しいが、ずっと聞いていると中世にタイムスリップしたような気がするぐらい、彼の声ははまっている。

リュートの音色も素晴らしいので、家でゆっくりしているときにどうぞ!

Sting

SONGS FORM THE LABYRINTH
http://www.universal-music.co.jp/classics/artist/sting/index.html

水曜日, 10月 04, 2006

出会い


早池峯神社にお参りに行くようになってから5年になる。
ある人から自分にゆかりのある神社だと言われたのが5年前の2月だった。

2月といえばかなりの豪雪である。
というのも、早池峯神社は岩手県の盛岡と花巻のちょうど中間あたりに位置している早池峰山(日本百名山にもなっている美しい山)に奥社を配している。

あのときは聞いてしまったからというか聞きたかったからなのだが、存在を知った以上お参りに行くしかないと雪の中をバスを乗り継ぎ、乗り継ぎ神社に向かった。

そういえば、あの日はよく場所がわからず最初に遠野にある里宮を訪れた。

新幹線の新花巻駅で下車し、釜石線に乗り換えて遠野まで行くのだが、その道中お腹の大きい妊婦さんと席が隣りになった。初めて会ったのに、なぜかいろいろと話をした。
なんでも、ご主人の転勤で東京から釜石に向かうところなのだが、初めての地ということや初めての出産等不安なことがたくさんあるという話だった。
その時私は彼女に言ったらしい。

「空気もいいし食べ物もおいしいだろうし赤ちゃんを育てるにはとってもいいところなんじゃない?、知らない土地での生活は夫婦二人の絆がきっと深まると思うからプラスのことが多いんじゃない?」

何気ない言葉がある人にとってはとてもプラスに働くことがある。
天上で神さまがそのときに必要ないろいろな役割を私たちに与えてくれているのかもしれない。

時の移り変わりも速いもので、そんな彼女もすでに転勤を終え、現在は第2子も誕生した。
そのとき以来年賀状の交換をするようになったのも素敵な縁である。


里宮へ行くには、バスで1時間近くかかり、おまけに帰りのバスが3時間後というすごいところにあった。

大雪の中帰りのバスを待つにはどうしたいいのかと悩んでいたら、バスの運転手さんが待つんだったら側の雑貨屋さんのお婆さんのところで待ったらいいと教えてくれた。

3時間という長い間薪ストーブを囲みながらいろいろな話をしながら待っていると、入れ替わり立ち代りいろんな人がやってくる。校長先生だったり、きこりのおじさんだったり、旅館のご主人だったり。もちろんバスの運転手さんもだ。
みんな暖と談をとりに来るのだ。なのでここはちょっとした社交場になっている。

ビールをいただいたりお餅をいただいたりしているとあっという間に時間が過ぎて帰りのバスの時間になった。

なんだか名残おしい感じのまま、白い月が雪を照らしてる中を町までもどったのだった。


そして今年も早池峯神社にお参りに行った。最近は本社へのお参りだけではなく、早池峰山の頂上まで登ることにしている。

早池峰山は1917mの高さだが1合目から登るのでけっこうきつい。最初は林の中を沢を渡りながら登るとあとはガレ場になり、そのうち鎖場なんてのも出てくる。

夏だとハヤチネウスユキソウというエーデルワイスの近似種が見られるが、今は真っ赤な紅葉が美しい。
http://www.city.hanamaki.iwate.jp/hayaren/index.php


下山した後は必ず温泉に行く。そうすればいっぺんに筋肉の疲労が吹き飛ぶからだ。
今回は花巻温泉峡の中の大沢温泉に行ってみた。ここは宮沢賢治や高村光太郎が通ったという古い由緒ある温泉だ。日帰りは500円で三つのお風呂が楽しめる。一番有名な古い露天風呂は混浴だったので、敢え無くパス。でも半露天の新しいお風呂もとっても気持ちよかった。
花巻温泉に行くならお勧め。
http://www.oosawaonsen.com/


その後はレンタカーを返して夜行バスの出発まで夜ごはんを食べれるところを探そうとタクシーの運転手さんに聞いてみた。
いつもは宮沢賢治が通ったとかいう「藪そば」というところに行っていたのだが、今回は双葉町にある「夜来香」(いえらいしゃん)という一口餃子の店を紹介してもらい暖簾をくぐった。

と、すでにかなり盛り上がっているグループとお店のご主人夫婦がいた。
山の格好をしている女性が一人なので目立つと思うが、グループの方々も地元の山好きな人たちだったもんだからとっても嬉しそうだった。

早池峰を4回登ってるのはやはり珍しいみたいだったので話が弾む。
またお店のご主人は「日本野鳥の会」の北上支部の方なのでやはり鳥のことや山には詳しく、奥様もとてもきさくで優しい方だった。

餃子もおいしくいただき、東北の山談義に大いに盛り上がったが、なんとそのグループの皆さんに夜行バスのバス停まで送ってもらい、おまけにバスが出る最後まで見送ってくれたのだ。

なんて素敵な人たちだろう。心があったかくなった。
毎年、早池峰には行くので来年も会えるかな?

生きているといろんなところでいろんな出会いがあって・・・ほんとに楽しい。
こういう縁は大事にしたいなって思う。