水曜日, 10月 04, 2006

出会い


早池峯神社にお参りに行くようになってから5年になる。
ある人から自分にゆかりのある神社だと言われたのが5年前の2月だった。

2月といえばかなりの豪雪である。
というのも、早池峯神社は岩手県の盛岡と花巻のちょうど中間あたりに位置している早池峰山(日本百名山にもなっている美しい山)に奥社を配している。

あのときは聞いてしまったからというか聞きたかったからなのだが、存在を知った以上お参りに行くしかないと雪の中をバスを乗り継ぎ、乗り継ぎ神社に向かった。

そういえば、あの日はよく場所がわからず最初に遠野にある里宮を訪れた。

新幹線の新花巻駅で下車し、釜石線に乗り換えて遠野まで行くのだが、その道中お腹の大きい妊婦さんと席が隣りになった。初めて会ったのに、なぜかいろいろと話をした。
なんでも、ご主人の転勤で東京から釜石に向かうところなのだが、初めての地ということや初めての出産等不安なことがたくさんあるという話だった。
その時私は彼女に言ったらしい。

「空気もいいし食べ物もおいしいだろうし赤ちゃんを育てるにはとってもいいところなんじゃない?、知らない土地での生活は夫婦二人の絆がきっと深まると思うからプラスのことが多いんじゃない?」

何気ない言葉がある人にとってはとてもプラスに働くことがある。
天上で神さまがそのときに必要ないろいろな役割を私たちに与えてくれているのかもしれない。

時の移り変わりも速いもので、そんな彼女もすでに転勤を終え、現在は第2子も誕生した。
そのとき以来年賀状の交換をするようになったのも素敵な縁である。


里宮へ行くには、バスで1時間近くかかり、おまけに帰りのバスが3時間後というすごいところにあった。

大雪の中帰りのバスを待つにはどうしたいいのかと悩んでいたら、バスの運転手さんが待つんだったら側の雑貨屋さんのお婆さんのところで待ったらいいと教えてくれた。

3時間という長い間薪ストーブを囲みながらいろいろな話をしながら待っていると、入れ替わり立ち代りいろんな人がやってくる。校長先生だったり、きこりのおじさんだったり、旅館のご主人だったり。もちろんバスの運転手さんもだ。
みんな暖と談をとりに来るのだ。なのでここはちょっとした社交場になっている。

ビールをいただいたりお餅をいただいたりしているとあっという間に時間が過ぎて帰りのバスの時間になった。

なんだか名残おしい感じのまま、白い月が雪を照らしてる中を町までもどったのだった。


そして今年も早池峯神社にお参りに行った。最近は本社へのお参りだけではなく、早池峰山の頂上まで登ることにしている。

早池峰山は1917mの高さだが1合目から登るのでけっこうきつい。最初は林の中を沢を渡りながら登るとあとはガレ場になり、そのうち鎖場なんてのも出てくる。

夏だとハヤチネウスユキソウというエーデルワイスの近似種が見られるが、今は真っ赤な紅葉が美しい。
http://www.city.hanamaki.iwate.jp/hayaren/index.php


下山した後は必ず温泉に行く。そうすればいっぺんに筋肉の疲労が吹き飛ぶからだ。
今回は花巻温泉峡の中の大沢温泉に行ってみた。ここは宮沢賢治や高村光太郎が通ったという古い由緒ある温泉だ。日帰りは500円で三つのお風呂が楽しめる。一番有名な古い露天風呂は混浴だったので、敢え無くパス。でも半露天の新しいお風呂もとっても気持ちよかった。
花巻温泉に行くならお勧め。
http://www.oosawaonsen.com/


その後はレンタカーを返して夜行バスの出発まで夜ごはんを食べれるところを探そうとタクシーの運転手さんに聞いてみた。
いつもは宮沢賢治が通ったとかいう「藪そば」というところに行っていたのだが、今回は双葉町にある「夜来香」(いえらいしゃん)という一口餃子の店を紹介してもらい暖簾をくぐった。

と、すでにかなり盛り上がっているグループとお店のご主人夫婦がいた。
山の格好をしている女性が一人なので目立つと思うが、グループの方々も地元の山好きな人たちだったもんだからとっても嬉しそうだった。

早池峰を4回登ってるのはやはり珍しいみたいだったので話が弾む。
またお店のご主人は「日本野鳥の会」の北上支部の方なのでやはり鳥のことや山には詳しく、奥様もとてもきさくで優しい方だった。

餃子もおいしくいただき、東北の山談義に大いに盛り上がったが、なんとそのグループの皆さんに夜行バスのバス停まで送ってもらい、おまけにバスが出る最後まで見送ってくれたのだ。

なんて素敵な人たちだろう。心があったかくなった。
毎年、早池峰には行くので来年も会えるかな?

生きているといろんなところでいろんな出会いがあって・・・ほんとに楽しい。
こういう縁は大事にしたいなって思う。

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