金曜日, 12月 29, 2006
幸せな風景
年末の羽田空港。
私は妹家族を迎えるために到着ロビーに向かった。
毎年のことだが今回はクリスマスを過ぎて、年も押し迫ったからなのか、かなりの人でごった返している。私と同じ家族を出迎える人が多い。
大体年配のおじいちゃん、おばあちゃんが転勤先から帰ってきた娘や息子家族を出迎えているパターンが多いみたい。
そして孫を迎えた瞬間のおじいちゃん、おばあちゃんの顔ときたら、ほんとに顔がほころび満面の笑みでのお出迎えである。孫たちも飛んで喜ぶものもあれば、久しぶりだからかちょっとはにかんだりして。
とにかくみんな嬉しそうだ。
到着出口のあたりは幸せのオーラに包まれている感じ。
こういう光景を目にして、命を繋ぐというのはこういうことなのかな?って。
何はともあれ親にとって自分の子の子、孫というのは特別かわいいのである。
都市においては核家族化が進んできたわけだが、なんとなく家族の問題が多い。
年老いた親と生活し、知恵を借りたり助け合いながら大家族で住むといろんなことも解決できたりするかもしれない。
イベント好きな日本人としも、やっぱりクリスマスではなくてお正月なんだな!
家族が集まるのは。
月曜日, 12月 25, 2006
日曜日, 12月 24, 2006
戸隠山の鬼女
「海老さま~」っていう感じの今日このごろ。
12月の歌舞伎「紅葉狩」を見に行った。
海老蔵が戸隠の姫実は鬼女に豹変する役を演じるというので。
海老蔵の演じる「紅葉狩」は、信州戸隠に伝わる鬼女伝説がもとになっている。
「鬼女伝説」
清和源氏の祖である源経基の局となった紅葉という美女が、正妻との争いから呪術を行ったのが露見したとして戸隠に流さた。土地の人々は都からきたこの紅葉を暖かく迎えたが、朝廷側はなおも、紅葉が都への回帰を願い資金を調達のため徒党を組んで山賊行為をしていると、平維茂を派遣し紅葉を討伐させたそう。
舞台の海老蔵はというと、やはり彼が出てくるだけで客席の雰囲気が変る。
皆身を乗り出して少しでもよく見ようという感じが伝わってくる。
藤娘を演じたときもそうだったが、なんだかやっぱり大きい。
大きい姫がしなやかに舞いを舞っているが、平維茂が酔わされてうとうととしたころに鬼の部分が少しずつ出てくる。
目がぎょろっとしたり、口が舌なめずりしているようになったりして、だんだん豹変していくのだ。
姫様の格好をしているが、大股に足をかっと開いたりしておもしろい。
一度退場したが、次に出てきたときは鬼に豹変していた。例の隈取も青くなっており、髪も獣のように長い。
そして戦いのシーンはかなり迫力があった。
舞台を飛び上がり髪を振り乱し戦う様はもちろんだが、鬼になった顔がすごい。
この人は顔で演技できるのだ。
舞いだけではなく迫力あるエンターテイメントとしても楽しめた。
彼は来年3月に團十郎とパリのオペラ座で公演するそうだ。
実はオペラ座で歌舞伎が演じられるのは初めてだそうである。演目もこの「紅葉狩」をするそうなので、とってもいいと思う。
だって舞台設定もきれいだし、話もわかりやすいし、衣装も豪華だし、飽きない筋だから、きっとパリの人にもうけるはずだ。
ちなみにオペラ座のサイトを見るとチケットは€7~€130まで幅広い。
かなりユーロ高ではあるけれども、やっぱり日本よりは安い。
去年ローマのオペラ座でバレエを見たが、そのときに取った席は€47だったけれど、バルコニーのとってもいい席だった。日本でももっと気軽な値段でいろいろな芸能芸術を見にいけるといいのに。
誰が見てもオーラがあり美しい日本の青年が、パリで伝統芸術を披露してくれるなんて嬉しい限りである。 オペラ座における歌舞伎の初舞台を担うわけだからがんばってきてほしい。
そのころにパリに行くのもいいかも~
着物も持っていってね。
オペラ座
http://www.operadeparis.fr/Saison0607/Spectacle.asp?Id=988
オペラ座公演記者会見
http://www.theaterguide.co.jp/pressnews/2006/05/08_2.html
水曜日, 12月 20, 2006
太陽のめぐみ
最近の東京は西高東低の冬型の気圧配置からか青空の見えるとてもいい天気が続いている。
今まで近所の銀杏のことを話題にしてきたが、とうとう葉が落ちて、道路はまるで黄色い絨毯のようになってしまった。
たまに空っ風が吹くと銀杏の葉が舞ってなんだかきれい。
私の部屋はちょっと変っていて、片側全面が全部ガラスでできている。
また東南に向いていることもあり、朝は太陽のひかりがさんさんと差し込んで寝ていられないぐらい明るい。天気のいい日は太陽の光が差し込み、部屋全体が暖かくなり、 外の気温がわからなくなるほど暖かくなる。
気分もいい。
逆に太陽の差さない夜はとっても寒くなる部屋だ。 天井が高いので熱効率が悪くなかなか温まらない。
先日しばらく会っていない友達に会った。
彼女の旦那様はフィンランドに赴任しており、この夏休みに訪れたときのことを話してくれた。
とにかく、これでもかっていうぐらい自然があふれている。
そして食事はX。私のようなイタリア好きの食いしん坊にはお勧めしないとのこと。
マッシュポテトにメインを牛か豚かチキンかを選ぶぐらいしかチョイスがないらしい。
町にはデパートらしきものは1件しかないが、さすが福祉の国、病院はたくさんあるらしい。
そこでフィンランドで一番多い病気は何か?という質問。
答えは「精神病」だそうだ。
1年のうち夏はとても短く、ほとんどが雪に覆われるらしい。これといって娯楽はないが、大自然はたくさんある。そして夏には太陽が沈まない白夜になり、逆に冬には太陽が昇ってこない。
やっぱり太陽が差さない日々が続き、気候が悪いと気持ちも沈んでくるからか。
それを思うと毎日部屋に差し込んでくる太陽の恵みに感謝である。
明るくて暖かくて気分がうきうきしてくる。
月曜日, 12月 18, 2006
旬な温泉
アド街ック天国というランキング番組で「今行きたい旬な温泉ベスト30」というのをやっていた。
http://www.tv-tokyo.co.jp/adomachi/061216/index.html
ひまだったのと温泉フリークの私としてはつい気になって見てしまった。
いつもは1時間の番組なのに2時間の特番対応である。
以下ベスト30
30位 伊豆稲取 ○ 14位 指宿
29位 嬉野 ○ 13位 伊香保 ○
28位 伊豆長岡 12位 和倉 ○
27位 渋温泉 11位 新穂高 ○
26位 洞爺湖 ○ 10位 登別 ○
25位 扉温泉 9位 修善寺 ○
24位 南紀勝浦 ○ 8位 乳頭温泉
23位 那須 ○ 7位 別府
22位 定山渓 ○ 6位 城崎 ○
21位 熱海 ○ 5位 黒川
20位 伊東 ○ 4位 加賀温泉郷 ○
19位 有馬 3位 草津
18位 鬼怒川 2位 箱根 ○
17位 銀山 1位 湯布院 ○
16位 四万温泉 ○
15位 湯河原 ○
○印は行ったことある温泉。
30箇所中19箇所は行ったことになる。
温泉好きとしてはまあまあのレートかな?
大体は泊った旅館が紹介されていたが、そのなかでも湯河原の「海石榴」、湯布院の「玉の湯」、修善寺の「あさば」はほんとに良かった。
今行きたいのは扉温泉の「明神館」、銀山温泉の「能登屋」、乳頭温泉の「鶴の湯」かな?
このセレクションでないなと思ったのは東北の温泉。
とってもいい温泉がいっぱいあるのに。
松川温泉、酸ヶ湯、不老不死温泉、藤川温泉に新玉川温泉等。
湯質はサイコーにいいのだが食事と施設のいい旅館が少ないのでピックアップされなかったのだろう。
これらの温泉はもちろんいいけど、家の近所の温泉もお気に入り。
麻布三の橋にある「麻布黒美水温泉 竹の湯」という銭湯である。
お湯は真っ黒で、かなり湯質がいい。東京の温泉は大体黒いお湯の温泉が多いみたいだが、竹の湯のお湯はとても黒くて湯船の底は完全に見えない。湯質は格別で肌がつるつるするし、とてもぬくもる。
それに銭湯だから430円で入れる。
以前銀行に勤めていた時はかなりお疲れモードだったので、30歳ぐらいから月に1度はエステに通っていた。それはそれで肌にもいいし、人にマッサージをしてもらうのは気持ちがよかったが、この温泉を知って以来、そんなにお金かけなくてもいいと思った。
毎日通ってお肌を磨いていれば、ほんとにきれいになる。
まあ、毎日は難しいが疲れたときはなるべく行くようにしている。
竹の湯に行った帰り道は、いつもとっても幸せな気分で自転車をふらふらとこぎながら帰る。 夏も冬もこの感じが大好きだ。見も心もつるつるほかほかで、体が完全にリリースされる。
麻布黒美水温泉 竹の湯
http://homepage3.nifty.com/takenoyu/
温泉にゆっくり入ることは、肌にもいいけど、心を浄化して一日のけがれをすべて取り除いてくれるような気がする。
そして十分に睡眠をとれば、また明日からがんばれる。
地球の底から湧き出るパワーを体に浸透させる。
そんな効能が温泉にはある。
http://www.tv-tokyo.co.jp/adomachi/061216/index.html
ひまだったのと温泉フリークの私としてはつい気になって見てしまった。
いつもは1時間の番組なのに2時間の特番対応である。
以下ベスト30
30位 伊豆稲取 ○ 14位 指宿
29位 嬉野 ○ 13位 伊香保 ○
28位 伊豆長岡 12位 和倉 ○
27位 渋温泉 11位 新穂高 ○
26位 洞爺湖 ○ 10位 登別 ○
25位 扉温泉 9位 修善寺 ○
24位 南紀勝浦 ○ 8位 乳頭温泉
23位 那須 ○ 7位 別府
22位 定山渓 ○ 6位 城崎 ○
21位 熱海 ○ 5位 黒川
20位 伊東 ○ 4位 加賀温泉郷 ○
19位 有馬 3位 草津
18位 鬼怒川 2位 箱根 ○
17位 銀山 1位 湯布院 ○
16位 四万温泉 ○
15位 湯河原 ○
○印は行ったことある温泉。
30箇所中19箇所は行ったことになる。
温泉好きとしてはまあまあのレートかな?
大体は泊った旅館が紹介されていたが、そのなかでも湯河原の「海石榴」、湯布院の「玉の湯」、修善寺の「あさば」はほんとに良かった。
今行きたいのは扉温泉の「明神館」、銀山温泉の「能登屋」、乳頭温泉の「鶴の湯」かな?
このセレクションでないなと思ったのは東北の温泉。
とってもいい温泉がいっぱいあるのに。
松川温泉、酸ヶ湯、不老不死温泉、藤川温泉に新玉川温泉等。
湯質はサイコーにいいのだが食事と施設のいい旅館が少ないのでピックアップされなかったのだろう。
これらの温泉はもちろんいいけど、家の近所の温泉もお気に入り。
麻布三の橋にある「麻布黒美水温泉 竹の湯」という銭湯である。
お湯は真っ黒で、かなり湯質がいい。東京の温泉は大体黒いお湯の温泉が多いみたいだが、竹の湯のお湯はとても黒くて湯船の底は完全に見えない。湯質は格別で肌がつるつるするし、とてもぬくもる。
それに銭湯だから430円で入れる。
以前銀行に勤めていた時はかなりお疲れモードだったので、30歳ぐらいから月に1度はエステに通っていた。それはそれで肌にもいいし、人にマッサージをしてもらうのは気持ちがよかったが、この温泉を知って以来、そんなにお金かけなくてもいいと思った。
毎日通ってお肌を磨いていれば、ほんとにきれいになる。
まあ、毎日は難しいが疲れたときはなるべく行くようにしている。
竹の湯に行った帰り道は、いつもとっても幸せな気分で自転車をふらふらとこぎながら帰る。 夏も冬もこの感じが大好きだ。見も心もつるつるほかほかで、体が完全にリリースされる。
麻布黒美水温泉 竹の湯
http://homepage3.nifty.com/takenoyu/
温泉にゆっくり入ることは、肌にもいいけど、心を浄化して一日のけがれをすべて取り除いてくれるような気がする。
そして十分に睡眠をとれば、また明日からがんばれる。
地球の底から湧き出るパワーを体に浸透させる。
そんな効能が温泉にはある。
水曜日, 12月 13, 2006
ユーラシア
大陸ではなくて舞浜にある温泉だ。
雨がしとしとと降るとっても寒い日に出かけた。
とっても温泉日和。
こんな日は外でも遊べないし、家にいても洗濯したり掃除する気になれない。
今日は1日思いっきり温泉を楽しむんだ。
舞浜といえばディズニーランドなのだが、その奥にユーラシアはある。
舞浜の駅からシャトルバスが10分毎に出ているので便利。
外観は普通のビルという感じだが、中はやっぱりテーマパークみたい。
さすがにユーラシアっていう名前からか大陸っぽいっていうか南国っぽい雰囲気の中に 仏様の彫刻があったりしておかしい。
施設については後楽園にある「ラクーア」に似ている。
いろんなお風呂とサウナに、TVを見ながらリラックスできる寝椅子と食事所がある。
プラス、エステやマッサージ、足つぼも充実している。
でも、土地柄なのか客層が違うのか結構空いてる感じだ。
(以外に穴場かも!)
お風呂は、内湯と露天風呂、サウナが3種類。
湯質はやっぱり東京湾の温泉ということで海底のしょっぱくて黄土色っぽい。
外にある源泉かけ流しの温泉はぺとぺとしている。
ここはサウナが充実している。
蒸気浴のカルダリウムと低温のラコニウムとケロサウナがある。
カルダリウムはミントのハーブを効かせていてとても気持ちいい。なんだか古代ローマのお風呂に入ってい気分。以前行ったドイツのバーデンバーデンにも似たサウナがあった。
ケロサウナとはケロという材木を使ったフィンランドのサウナである。ここでは1日2回スタッフの人が、白樺のエキスの入った水を石の上にかけて蒸気を出し、タオルをぶんぶん振り回して熱気を送ってくれる。かなりの熱風で、まるで海水浴でじりじり日焼けしてる時に感じる熱気に近い。
でも、白樺の香りと熱気によって汗がどんどん出てかなり効果的。
マイナスイオン効果もあって美容にもいいらしい。
ラコニウムは低温のサウナで、友達といつまでもしゃべっていられそうだが、しっかりと汗もかける。
なんだか、古代の浴場が社交場だったのもうなずける。
そんなこんなで、一度ビールを飲んで休んだが、たっぷり5時間は楽しんだ。
食事はいまいちだったので、舞浜駅近くのイクスピアリがいい。
ユーラシアは、温泉施設だけではなく、手ごろな価格のホテルも併設しているので、ディズニーランドとセットで行くといいかも。
東京からこんなに近くでも結構楽しめるものだ。
憂鬱な1日を楽しむにはもってこいだと思う。
舞浜ユーラシア
http://www.my-spa.jp/page/spa.html
木曜日, 12月 07, 2006
so lovely, Jamie OOXX
と言われそうな、Jamie CullumのLIVEに行った。
場所は代々木の体育館の側にあるShibuya-AX。
初めて行ったが、昔あった赤坂のBritzと同じぐらいの大きさで、1000人ぐらい入るだろうか。もちろんStandingの席である。
6月に来日したときは抽選にもれてしまったが今回は運よくチケットを手に入れることができた。っていうぐらい人気がある。
彼は小柄なイギリスの男の子という感じで、出てきたときはなぜか80年代のロックを彷彿とさせたスタイルでなんだか懐かしい感じがした。でも80年代よりは明るい! とにかくステージの端から端まで動くし、飛び跳ねるし、ビールは飲みながらだし、なんだか昔っぽくていい。(渋谷公会堂で聞いてる感じ)
音楽はJazzとPopsの中間みたいなものだが、ピアノは弾けるし歌は歌うし、ピアノを太鼓がわりに叩くは、もひろんピアノの上からJumpとか。かなりのPerformerでLiveは楽しい。
そういえば、Londonにあるイギリス王室御用達のRoyal Arbert Hallで女王陛下の前で歌ったことがあると聞いたが、その時もピアノの上に乗ったり、叩いたりしてたみたい(笑)
曲はもちろん彼のものも多いが、ラテンの"Mashukenada"があったり、"Amazing Grace"があったりで、ハーモニカのゲストと一緒に歌った"Nature Boy"はとても素敵だった。一足先にChristmas Songを聞いてしまった・・
彼は日本が大好きみたいで、かなりの日本語を覚えたみたいだ。特にチャーシューラーメンとショウチュウが好きみたい。18ヶ月続いたWorld Tourの最後を飾る場所に日本を選んだぐらいだから。
http://www.universal-music.co.jp/jazz/artist/jamie_cullum/
帰りにじゃんがらでラーメンを食べた。(Jamieにちなんで)
その後に表参道でお茶をしたが、例の久しぶりに復活したイルミネーションを見た。なんだか行灯みたいでぱっとしない感じ。
そうそう、お茶をしたCafeが4周年だかで、シャンパンをご馳走になった。それもヴーヴ・クリコのイエローだったのでラッキー。
とっても楽しい一日でした~
番外編:
朝、秋吉敏子さんが特ダネで生ライブを披露していた。Jazz Masters Awardを受賞したそうである。
もちろん日本人で初めてだし、すごいprestigiousな賞だそう。76歳の今もNYで活躍している彼女は、すごいガッツと信念の人だ。
http://www.nea.gov/national/jazz/jazz07/index.html
火曜日, 12月 05, 2006
ぎんなん part II
東京の銀杏は今最高潮にきれいだ。
私の家の周りの並木道や大学や公園にやたらと銀杏の木があって、まっ黄色に色づいてとてもきれいである。歩いても自転車に乗っても外にいるととても楽しい。
今日は用事があって丸の内に行ったが、東京駅の前の銀杏はけっこう葉が落ちていた。
東京の中で温度差があるのかな?
葉が落ちる前の紅葉、町がきれいに見えたりして、いつもの景色が違って見える。
******************************
前回の「ひらがな革命」にちなんで友達が教えてくれた。
「陰陽師」という漫画の中に出てくるのだが、道真が怨霊となって時平の末裔を祟っていたので、道真は祀られるようになったそうだ。(という設定?)
本当のところはどうなんでしょう?
月曜日, 12月 04, 2006
ひらがな革命
NHKの歴史番組を見た。
「ひらがな革命」というタイトルだったので、興味をひかれたのだ。
日本でひらがなを一般に使い始めたきっかけが、平安時代の藤原時平と菅原道真の一件が大きく影響しているという。
歌舞伎の演目にある「菅原伝授手習鑑」では、藤原時平は道真を追い落とした悪者として描かれているし、菅原道真は今では神様として崇められている人物として有名だ。
二人は平安時代の政治家として律令制度改革を断行した人物であった。
時平は名門貴族の出身で色恋沙汰も多い人物だった。反面、道真は中国の学問に秀でた学者肌で尊敬を集めていた。
当時、文化や政治のやり方は中国をお手本にしていたので、公文書などは漢字のみで書かれ、中国を絶対視する風潮があった。
律令改革の旗出を振っていたのは道真のほうで、大胆な改革を行った。長年続いていた遣唐使を廃止した。(この時代の中国は混乱していて学ぶところはないという考えからだ) また、土地は全て国のものという考えを改め、所有を認めるかわりに税金をとるという政策を行ったが、税金を払いたくない者たちから疎んじられ、左遷されてしまったのである。
そして、その改革の後を次いだのが藤原時平だった。
しかし、その道のりは困難を極めた。大胆な改革というのはなかなか理解を得られないのである。
そこで、当時の政治のお手本はとして中国を絶対視する官僚たちを動かすために和歌集の編纂を思いついたそうである。
それが「古今和歌集」である。
当時の中国絶対視の象徴である漢文からひらがなを用いた和文による和歌の編纂により意識革命を起こそうとしたのである。
ひらがなは女性が和歌を書くのに使われていただけで、公の文書には使われていなかったそうだ。
数多くの女性と歌の交換をしていた時平ならでのアイデアである。
この「古今和歌集」の編纂はとても意味のあるものになった。
もちろんこの改革は延喜の改革として後世に残るものとなったし、日本固有の文化を尊重する国風文化というものが生まれた。
おもしろいことに漢文を尊重した道真とひらがなを広めた時平であるが、漢字とひらがなと混ぜた和漢混合文というのが日本語として発達していくのである。
そこから枕草子などの文学が発展した。
日本人というのは柔軟である。
いつも外国の文化に憧れるが、行き過ぎるとちゃんと自分たちの足元にある独自の文化を見なさいよ!という人が現れ、見つめ、また発展させていく。
何事も行きすぎは良くないということを歴史は教えてくれる。
存命中は不遇だった道真は神様になり、改革を成し遂げ国風文化のきっかけを作った時平は悪者になっているというのは、なんとも皮肉な話。
「その時歴史が動いた」
http://www.nhk.or.jp/sonotoki/2006_11.html#04
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