月曜日, 12月 15, 2008

トロワピエロ


最近友人がはまっているというフレンチ、中目黒の「トロワピエロ」に行った。
ここはとてもジビエが有名だという。

というのも、仕入れにはこだわりぬき、信頼のおける方から、クオリティの高いものしか入れないといもの。

秋になるとジビエの季節というが、自分は鴨ぐらいしか食べる自信がない。




ずいぶん昔になるが、友人たちと美味しいフレンチワインを飲みに行ったときのこと。
確か、エシェゾーの88年とか?かなり古くて重いワインにということで、イノシシがでてきた。
その素晴らしく重いワインに合わせるべく、野性味溢れるそのイノシシはというと、ものすごいワイルドな匂い、獣の匂いがするすごいものだった。

とてもじゃないけれど、私は無理と勘弁してもらった記憶ある。


で、なんとなく避けてきたイノシシくん。
ところが、トロワピエロさんでいただいたイノシシくんはとてもおいしかった。
イノシシの中でも、雑食のイノシシ、木の実だけを食べるイノシシ、ごみをあさるイノシシと種類があるそうだ。その中でも木の実を食べるイノシシを選んでいるという。

まるでどんぐりを食べるイベリコ豚のよう。


だからなのか、臭みはなく本当に美味しい。


またこの時期には最高という気仙沼産のカジキマグロのカルパッチョ。

こちらはトロのようにとろけて美味。
最後は北海道の雄鹿のタルタルをいただいた。


とてもまろやかで臭みもない。


このメインに合わせて、少ししっかりしたワインを聞いた。

こちらのソムリエさんはとても気さくで、料理の説明から、料理に合わせたワイン選びまで気軽に応じてくれるのが嬉しい。

特にこちらのお店のワインは、オーガニックワインを中心に用意してあるのだが、国内のワインにも注目していて品揃えも豊富。

こんなに国内のワインがおいしくなっているとは知らなかったが、いろいろな種類がありとてもおいしい。

今回選んでいただいたのは、洞爺湖のサミットでも出されたという甲府のワイン。


ラベルも黒白モダンで、揚羽の家紋がデザインされていておしゃれ。

味も申し分なくおいしかった。


とにかくこんなにジビエを食べたのは初めてだったけれど、選び抜かれた素材とオーガニックワインがとてもマッチしていたからか、とてもおいしくいただくことができた。
たぶん、地産地消を心掛けているからだろうか。

季節にあった自然のものを、旬の時期にいただくというのが一番おいしく食べることができるのだ
ということ実感した体験だった。
なんでもそうだけれど、食べるということは命をいただくことなのである。

野菜だってお肉だって、感謝していただく、ということを考えるお料理なのだ。



最近自給率を上げる話が話題になっているが、国内産のものでこんなに美味しいフレンチが食べれるのである。もっと注目していくべきだと思った。

水曜日, 12月 10, 2008

秋空に映える厳島神社

先月秋の京都ー宮島と訪れた。

京都家元で行われる3代宗旦居士の年忌の行事、「宗旦忌」に出席するためである。

暖かい日が続いていたのに、やはり京都はぐっと冷え込みを増し、銀杏の黄色が印象的だ。






裏千家京都家元のある「今日庵」を中心にお茶席が設けられているのだが、やはり銀杏にちなんだお菓子がたくさん。銀杏の葉であったり、家元の庭になるという銀杏からとれたギンナンの入ったお餅がたいそうおいしい。


冷え込んだ青い空に、黄色の銀杏の葉が生え、そしてお茶席には、季節をより感じさせる趣向が凝らされていることを実感する。

今回京都の食事は以前から行きたかった「桜田」に伺った。

17時半の予約にもかかわらず、すでにお客さんでいっぱいである。

お料理は秋の趣向を凝らしたどれも美しいものばかり。


もちろん美しいだけではなく味もとてもおいしい。さすがお茶人の方々が贔屓にするのがわかる。
そして味ぷらすお料理のボリュームもかなりある。

食いしん坊の私でも最後のお汁粉が入らなかった。




今回はそのまま帰らずに広島に移動して、宮島に行く予定だ。

京都の次いでというには遠すぎるけれど、前から行きたかった厳島神社。


翌日はさらに冷え込んだけれど、余計に空が青くすがすがしい陽気になった。


宮島口までJRで移動し、そこからはフェリーで渡る。

なんとなく日差しの明るさから、イタリアのカプリを思い出す。



普通の日にもかかわらず、観光客でにぎわっている。外国人の方や中高年のツアーも多い。
なんといっても世界遺産でもあるということと広島の名前は有名だからか。

厳島神社のある入り江は本当に美しかった。

太陽の光を浴びて水とともにきらきら光る。

やはりこの場所は太古の昔から特別な場所で、大事にされてきたところのような気がした。

そして、やはり水の中の大鳥居は圧巻である。


最初にお参りした頃は、水が引いて地面がむき出しになっていた。

鹿が浜辺に下りたりと不思議な光景だったけれど、厳島神社の背後に控える山間にある紅葉谷をぶらぶらしてみる。

紅葉饅頭の由縁だと思うが、そこかしこの紅葉が紅葉していてとても美しい。

紅葉谷の散策の後、神社に戻ってみると水が満ちていた。

干満の時間がこんなに短いのか?

とはいえ、水の中の神社はとても美しく、建物の朱色が水に映える。

厳島神社は水とともにある神社なのだ。