お友達からある料理イベントに誘われて、青山にあるスタジオOVEにお邪魔した。
あのスキーショップジローの近く、木の感じが素敵なスタジオ。
木でできた素敵な空間なのだが、ここは有名な自転車やさんのショウルームだそうだ。
でもキッチンも完備しており、カフェもある。ちょっとした大人の隠れ家といった感じである。
そんな場所で行われた料理教室。
お料理教室といっても、手順を習うのではなくて、イチカワヨウスケさんという鎌倉で精進料理のお店をしている方のお料理と伊豆に工房を持って活躍してらっしゃる花岡隆さんの器とのコラボ。
私としては料理を目で見て、味わったという感じのものである。
器はどれもシンプルで、白い粉引きのものか、備前のような鉄色でざらっとした感覚のもの。
どれも料理を盛ると映えそうなものばかりだった。
参加者は25名ほどで全員が女性。
まあ、精進料理ということもあるけれど、イチカワヨウスケさんという方はとてもお若くて感じのよい方だからだと納得したが、リピーターの方も多いようだ。
各テーブルに粉引きの徳利とお猪口が置いてあるのだが、みなさんあまりお飲みにならないので嬉しい?? やはりお料理って少しお酒が入るとおいしく感じるような気がする。(特にお刺身のとき!)
ただし、今回は精進料理なのでお刺身などの動物性のものは出てこなかったけれど・・
冒頭の写真は春菊の白和えと椎茸のおろし和えをオードブル風に飾る。
この器は実はひっくり返すと花器になるという代物。
なかなかのアイデアである。
さつまいもを砂糖を入れず塩だけで柔らかく煮たものに銀杏や百合根、蓮根が添えられる。
さつまいもはとっても柔らかく、甘かった。
大きな土鍋に入っているのは里芋と大根の煮物だが、にんじんとごぼうの千切りが美しく、蓋を開けていただいたときは柚子の香りが辺りに漂う。
土鍋というと鍋物のイメージが強いが、調理したものを盛って器としての使い方もあるのだと勉強になった。
最後のデザートは冷凍した柿に白ワインのジュレをかけたものだったが、コンポートのような柿にはびっくり。ただ一晩冷凍しただけなのだそうだが、柔らかく甘いものに変容している。
なるほど、冷凍みかんに技だと思ったが、これは他のフルーツで応用できそう。
イチカワさんの控えめなほんわかした雰囲気がそのまま料理に映し出されたような感じで、とても優しく、おいしい味だった。
彼のお店は鎌倉、小町通りにあり、とても繁盛してるそうだ。
鎌倉のおいしい野菜を使って出してくれるのだから、行列ができるのも肯ける。
多くの調味料を使わなくても、野菜本来の味を楽しめる、そんな料理だった。
鎌倉に行く楽しみがひとつ増えたそんな気がした。