日曜日, 12月 24, 2006

戸隠山の鬼女



「海老さま~」っていう感じの今日このごろ。

12月の歌舞伎「紅葉狩」を見に行った。
海老蔵が戸隠の姫実は鬼女に豹変する役を演じるというので。

海老蔵の演じる「紅葉狩」は、信州戸隠に伝わる鬼女伝説がもとになっている。

「鬼女伝説」
清和源氏の祖である源経基の局となった紅葉という美女が、正妻との争いから呪術を行ったのが露見したとして戸隠に流さた。土地の人々は都からきたこの紅葉を暖かく迎えたが、朝廷側はなおも、紅葉が都への回帰を願い資金を調達のため徒党を組んで山賊行為をしていると、平維茂を派遣し紅葉を討伐させたそう。


舞台の海老蔵はというと、やはり彼が出てくるだけで客席の雰囲気が変る。
皆身を乗り出して少しでもよく見ようという感じが伝わってくる。

藤娘を演じたときもそうだったが、なんだかやっぱり大きい。
大きい姫がしなやかに舞いを舞っているが、平維茂が酔わされてうとうととしたころに鬼の部分が少しずつ出てくる。
目がぎょろっとしたり、口が舌なめずりしているようになったりして、だんだん豹変していくのだ。
姫様の格好をしているが、大股に足をかっと開いたりしておもしろい。

一度退場したが、次に出てきたときは鬼に豹変していた。例の隈取も青くなっており、髪も獣のように長い。
そして戦いのシーンはかなり迫力があった。

舞台を飛び上がり髪を振り乱し戦う様はもちろんだが、鬼になった顔がすごい。
この人は顔で演技できるのだ。

舞いだけではなく迫力あるエンターテイメントとしても楽しめた。

彼は来年3月に團十郎とパリのオペラ座で公演するそうだ。
実はオペラ座で歌舞伎が演じられるのは初めてだそうである。演目もこの「紅葉狩」をするそうなので、とってもいいと思う。

だって舞台設定もきれいだし、話もわかりやすいし、衣装も豪華だし、飽きない筋だから、きっとパリの人にもうけるはずだ。
ちなみにオペラ座のサイトを見るとチケットは€7~€130まで幅広い。
かなりユーロ高ではあるけれども、やっぱり日本よりは安い。

去年ローマのオペラ座でバレエを見たが、そのときに取った席は€47だったけれど、バルコニーのとってもいい席だった。日本でももっと気軽な値段でいろいろな芸能芸術を見にいけるといいのに。



誰が見てもオーラがあり美しい日本の青年が、パリで伝統芸術を披露してくれるなんて嬉しい限りである。 オペラ座における歌舞伎の初舞台を担うわけだからがんばってきてほしい。


そのころにパリに行くのもいいかも~
着物も持っていってね。


オペラ座
http://www.operadeparis.fr/Saison0607/Spectacle.asp?Id=988


オペラ座公演記者会見
http://www.theaterguide.co.jp/pressnews/2006/05/08_2.html

0 件のコメント: