水曜日, 11月 15, 2006

海老蔵

すごい存在感の弁慶だった。

11月の花形歌舞伎を見に行ったのだが、お昼の部は松緑の「番町皿屋敷」、海老蔵と菊の助の「勧進帳」、菊の助、松緑の「弁天娘女男白波」という演目。

花形歌舞伎というのは、歌舞伎界の次世代を担う花形俳優が諸先輩の指導を受けて大役に挑むということから、芸の継承ということで重要な役割をもっているそうである。

考えてみると、最近見た歌舞伎には大体海老蔵と菊の助のコンビで出演している演目が多かった。この二人の期待値はこれからの歌舞伎界において重要であることの表れだろう。

「勧進帳」
http://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/edc_dic/dictionary/
dic_ka/dic_ka_22.html


なんだか圧倒されてしまった、海老蔵の弁慶。

私の席は1階の20列目のど真ん中だったのだが、そこからでも彼の目の動きや顔の表情がよくわかる。関所を抜ける時の緊張感を伴う長い台詞や、高い跳躍ありの金剛杖を使った舞踊も迫力満点だ。荒事の技もりっぱにこなしていたし、なんといっても会場の観客全員が彼の動き追いながら魅了されているようだった。

もちろん相手方の富樫役の菊の助もマッチしていたが。

最後の幕外での飛び六法での幕引きもかなりの迫力。
目の前で花道を踏みしめる音、豪快な手振り、顔の表情、金剛杖を振り回しながら客席の間の花道を引いていく弁慶は素晴らしかった。

”飛び六法”
http://www2.rosenet.ne.jp/~spa/kabuki/html/ess/ess067.html


以前見た海老蔵の「藤娘」は女形なのにかなり豪快なものだったが、今回は彼の持ち味が存分に堪能できる舞台だった。

これからの彼の舞台が楽しみである。

そういえば、菊の助の母である富司純子に海老蔵の母らしき人が入り口で挨拶をしていた。
息子達のことは心配だろうし、成長をきっと喜んでいるんだろうと思うが毎日来てるのだろうか?

梨園の妻は大変だ。

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