火曜日, 11月 21, 2006

仏像


仏像展が開催されている。

仏像の展覧会というのはあまり聞いたことがなかったが、東京国立博物館の平成館に奈良・平安から円空・木喰(江戸)までの木材から像を作り出す一木彫(いちぼくちょう)にこだわって、国宝・重文を含む仏像が一挙に公開されている。

http://www.tnm.jp/jp/servlet/Con?pageId=B01&processId=01&event_id=3460

何を隠そう私は仏像大好き人間である。

東京ではなかなか見に行く機会はないが、京都の東寺の立体曼荼羅の仏像達や広隆寺の弥勒菩薩は見ていて厭きないし、京都の国立博物館や法隆寺の宝物館を覗いてみたりする。

立体曼荼羅
http://www.touji-ennichi.com/info/koudo_j1.htm


展覧会で仏像を見るというのは、珍しいので足を運んでみた。

12月3日までで会期も残り少ないのと週末ということもあったが、かなりの人で混雑していた。まるで、西洋美術館などでよくある「~コレクション」などの展覧会のような混雑だ。

ひそやかに仏像と対話をするような鑑賞はできなかったが、あまりの人の多さに日本人が仏像に持っている憧憬というか親しみみたいなものを感じた。

それも年齢が上の方達ばかりでなく、この混雑の中デートと思われるカップルもいたことはなんとなく嬉しい。


仏教を信仰した国の中で、鋳造ではなく、一本の木材にこだわって仏像を作り続けてきた国は日本のほかにないそうである。考えてみると鋳型に流した像だとなんとなくつるっとしていてリアルな感じだが、木造になるとその作者の思いやぬくもりも感じることができるような気がする。

奈良・平安の仏像は、中国から仏師に教わって作られたものが多いので、異国的で見ていてうっとりする美しい像が多い。なんとなく、その像の前でひれ伏してしまうような、そんな感じがする。

時代が移り江戸時代の円空・木喰になると丸太を割って作ったのがよくわかるような素朴なものが多く、お顔はみな笑みを浮かべている。見ているこちらも笑ってしまうような、そんなやさしさを持っている仏像たちだ。

読売新聞が協賛しているので、クリックをすると作品が見れる。

http://event.yomiuri.co.jp/2006/butsuzo/works.htm


仏像を見るときは、なんだか心静かで平和な気持ちになる。

仏像展の混雑状況は、皆が平和を欲していることの表れだろうか?
実のところ、混雑しすぎで落ち着いて見る余裕はなかったが・・・

東京で仏像をゆっくり見るということがなかなか叶わないが、機会があれば国立博物館の法隆寺宝物館に行ってみてはどうだろうか?

安藤忠雄の建築も素晴らしいし、思索をするにはもってこの場所だ。
http://www.tnm.jp/jp/servlet/Con?pageId=B01&processId=00&mansion_id=M4

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