木曜日, 9月 07, 2006

Neo-Japonism

先日、裏千家の大宗匠(前の家元のこと)主催の国連親善パーティでのこと。

私は学生時代からずーと茶道を習っていた縁もあり、先生に連れて行ってもらいました。
お茶の会なので、お茶を飲んで、立食パーティで終わりかなと安易に考えていたのが見当違いで
大宗匠と元NHKのアナウンサーの磯村さんの講演が2時間もありとても貴重な話が聞けたので紹介しますね。

磯村さんはNHKの特派員等で活躍してたのですが、もう11年前にリタイアし、今までパリの日本文化会館の館長を務められていたそうです。そのときのエピソードをいろいろ話していました。

文化大国としてフランス人は日本に対して昔から憧れがある。

昔はJaponismといってゴッホが浮世絵に傾倒したり、日本の芸術、文化に対する造詣が深かったが、現在はまた違った意味で日本の文化に興味がある。
というのは、漫画やコスプレのことである。
今ではフランス人がフランス人のためのJapan EXPOを企画したり、フランスの小学生は日本語で漫画を読んでいるそう。これを題してNeo-Japonismと呼ぶそうである。

なぜこんなに魅了されるのか?

・美的センスがある
・自然との共生  ex. 宮崎 駿
・漫画のストーリーが複雑
・勧善懲悪ではない

これって日本文化のもっているいいところで、多様性があり核心がある。
こういう感覚をもっと政治に利用したらいいのではないか?

ここでやはりマスコミ出身の方なので、最近の日本は国際的には非常に悪い、一番人気がない(これって単に中国のこといってるの??)戦争を美化する右傾化の傾向があると言ってました。

おもしろかったのがシラク大統領のエピソード。
彼はすごいエリートの出身だそうですが、家庭教師が日本通だったこともあり、かなり日本文化に傾倒しており、「奥の細道」や「万葉集」を読んだりしてるそう。

村山首相のころに日本を訪問した時、歓迎の意をこめて迎賓館に縄文土器を飾っていたそうですが、そこについていた年代の間違いを指摘したそうです。紀元前600年とあったそうですが本当は紀元前6000年が正しかったのです。その後の懇親会でもどの閣僚も日本文化の話をうまくできなかったそうです。

こういう話を聞くと恥ずかしいですよね。

マニアックになることはないけど、自分の生まれた国であり、すばらしい文化を持っている日本のことをもっと好きになって、少しずつでも知る勉強していかなくてはと思います。

でないと、対等に他の国の人とも話ができない気がする。


最後に大宗匠の話。

大宗匠は第二次大戦のとき特攻隊にいたときに終戦を迎えて生き残った経験があり、戦後は茶道を通して国際交流を広げていったそうです。実際世界各地に支部があったり、外国人の方たちが茶道に興味をもってお稽古をしていたりとかなりその成果はあるようです。

とくに「一盌からピースフルネスを」をモットーに世界各地を回って献茶(仏様にお茶を捧げることだけど
いろんなところでやってます)をしています。お茶を通して世界平和を伝えてらっしゃるのですが、講演の中でも、お茶には和があり人に安らぎを与える。人はもっともっと交流しないといけない。そうすればもっと世界は平和になると言ってました。

裏千家HP
http://www.urasenke.or.jp/

0 件のコメント: