火曜日, 1月 23, 2007

人間国宝の背中



かねてより楽しみにしていた「新春大歌舞伎」に行った。
この度の顔ぶれはかなり豪華。

雀右衛門と芝雀親子の競演。吉右衛門と幸四郎に玉三郎の雪姫。
勘三郎の鑑獅子。
そして福助に橋之助。

それに今回は友人のおかげで1階のど真ん中の席を手配してもらったので、とてもよく見える。
花道も近いので役者の顔よもよく見える。

あまりに豪華な面々なのでどの舞台もよかったが、なかでも勘三郎の踊りはすごい。
江戸城の鑑開きの余興として踊ることになった小姓弥生に獅子の精が乗り移り、最後は獅子の踊りで終わるのを勘三郎が踊りわける。弥生に獅子の精が乗り移るところなど、さすが勘三郎、とてもうまいし、獅子の踊りはとても迫力があって圧巻。

合間に蝶々の踊りを橋之助の息子、宗生(9歳)と勘三郎に才能を見出され部屋子になった鶴松(10歳)ら少年が踊るのだが、これがまたとてもかわいい。
ひらひらと獅子の周りを踊る様がとても上手である。
衣装も蝶々が舞っているような可憐なものでとても合っていた。


でもなんといっても今回のハイライトは芝雀さんの楽屋見舞いに行けたこと。
歌舞伎座の舞台裏を見ることができた。舞台衣装でこれから舞台に上がる方々やカツラをもってうろうろしている衣装係の人が狭い道を行きかっている。
(そこで見たカツラはその後の「金閣寺」で幸四郎がつけていた!)

芝雀さんは気さくな方でとてもフレンドリーに話ていただいた。
それにあの人間国宝である雀右衛門さんと楽屋が同じということで、化粧を落としている雀右衛門さんともお会いすることができた。さっきまで傾城(花魁)の格好で豪華な衣装を身にまとっていたが、今は化粧を落としてもらっている背中がとても印象的だった。87歳でも現役で活躍してらっしゃるのがとても素晴らしいし、やさしい笑顔がとても素敵だ。


この日は着物を着ていこうと思っていたが、先日実家に帰った折り、大叔母の遺品である縮緬の名古屋帯とクロコダイルのバッグを持ち帰った。もしかしたら去年買った江戸小紋に合うかもしれない!と。

普段お茶の会では着れない着物である江戸小紋を着ようと思ったので、この帯とバッグが大活躍。
とてもマッチして嬉しかった。小さな頃に亡くなったがとても可愛がってくれた大叔母と一緒に歌舞伎を見に行ったような気がして。

少なくとも40年前の品々だが、とてもそんな風には見えない。
良いものを大事にするとずっと使えるし、次世代まで残せるんだと実感。

それに大好きだった懐かしい人を思い出して、ちょっと嬉しくなったりする。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

ふと、大阪のおじいちゃん、おばあちゃんを思い出しました。

おじいちゃんは大工さん、おばあちゃんはいつも三ツ矢サイダーを飲ませてくれた、優しい親戚でした。

なぜか、今でも身近にいるような気がします。

maki さんのコメント...

私の祖母も大叔母も大阪の人でした。

エクスパットさんのコメントはいつも大阪の匂いがするんですよ。実は懐かしかったりして・・・