木曜日, 3月 01, 2007

春のにおい


歩いているとどこからか甘いにおい。
沈丁花のとろけるような春の甘いにおい。

もう春はすぐそこにある。


とはいうものの、今年は暖冬で暖かかったし、お天気の日が多かった。

先々週に麹町までクッキーを取りに行ったときもすでに桜が咲いてたっけ。


そうそう、このクッキーは昨年12月に注文してやっと受け取れたという代物。
村上開新堂という明治7年創業の老舗の洋菓子店のクッキーなのだが、これがとても素朴でおいしいクッキーなのだ。創業のころから伝わる焼き方で丁寧に作られたクッキー。

そしてなぜ注文してからこんなに時間がかかるかというと、まず職人が少なくてひとつずつ手作りしているから。またこのクッキー、紹介がないと買えないし、お店に行ったらインターホンで名前を言ってから中に入れてくれる。

なかなかもったいぶっている。

もちろんお値段も一番小さいので5800円。
人によって価値観が違うだろうから、こんなに待たされてとっても小さいのにこの値段・・・

でも私は価値があると思う。


パッケージは紅白の紐で結ばれたピンクの缶に入っていて、缶を開けたときのにおい。

とっても香ばしい幸福なにおいがする。
中のクッキーは私が何度か購入してのことだが、いつも同じ場所に同じものが整列して入っており、取り出せないぐらいきっちり入っていてこれを眺めるのもおもしろい。



昔から続く老舗のお菓子やさんの知恵というか、こういうビジネスモデルっていいのかもしれない。

あまりにもいろんな店があり、情報が溢れる世界で生き残るには、こういった特異なサービスと味を守り続けることでお客さんも通い続けることができる。



京都にも村上開新堂がある。

東京の店とどういうつながりがあるのかわからないが、こちらは明治37年創業。
京都は紹介がなくても買えるが、クッキーは注文してあとで送ってくれる。
好事福盧(こうずぶくろ)というみかんゼリーが有名。


みかんといえば、以前屋久島を訪れたときに初めて食べた「たんかん」
これがほんとにおいしくて、みかんとオレンジをかけたようなさわやかな味が特徴。


まず関東で普通の店先では買えないので、屋久島のたんかんを注文した。
今年は天候がよくなかったとかで出荷量が少ないらしく、2月始めの第一弾は売り切れ。

2月後半のものを予約したらようやく先日送られてきた。


味もおいしいけど、皮をむいているときから香るいい香り。
南国の春のにおいがした。









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