木曜日, 6月 12, 2008

団菊祭り- 久しぶりの海老様


先日和歌山の素晴らしいびわをいただいた。旬のびわはとてもジューシーで甘酸っぱくておいしい。

初夏の味を堪能。
びわの葉のお茶は身体にもいいらしい。


ずいぶん前に書きかけてそのままになっていたのだけれど、ちょっと前に歌舞伎座団菊祭りの千秋楽を見に行った。


毎年、団十郎と菊五郎一派が一緒に登場するのだが、今回は義経千本桜の中の「渡海屋」「大物浦」に久しぶりに海老様が出るので、いつもの歌舞友といつものだらだら席(2階の桟敷の一段上、畳敷きに掘りごたつ風になっている楽チン席)に座る。


海老蔵の役は平家方の武士だが、壇ノ浦の合戦で実は入水せずに生き延びた安徳天皇をかくまって船宿の主人に収まっている役。(もちろんフィクション)


最初に登場したときは、船宿の主人なので町人の親分風というのがまた格好いい。着物の上着をひっかけた着流し風、タバコを吸う感じは浮世絵の人!という感じ。



その後義経一行を見逃したけれど、(それはもしかしたら味方になるかも?という算段)その後結局義経と戦い、碇(いかり)をまいて果てるのだが、主人である安徳天皇がまたひどい。5歳ぐらいの坊やが演じているのだけれど、子供らしい残酷さというのかもちろん主人だから仕方ないけれど、「義経の提案で天皇が義経方につけば守ってくれるというから義経についてくよ~」とあっさり言われてしまう。


必死の思いでお守りしてきた主人である天皇に、最後は見捨てられ入水するわけだ。


真っ白だった武者姿が、最後は血だらけになって


「昨日の敵は今日の味方・・・・」と言って死んでしまう。



安徳天皇が生き延びて、義経についていくというお話だけれど、なんだか切ないというか、残酷なお話。



その後の「極付幡随長兵衛」でも結構悲しいお話。旗本奴という武士方の若い衆と町奴という町人方のいざこざで、明らかに旗本奴のほうが悪いけれど、町方の親分が殺されるとわかっちゃいるけど武士の家に行って殺されるという話。


ストーリーだけ書いているとひどいじゃないの?といことだが、これってその頃の町人の気持ちを代弁しているのだろうか?とふと思った。死ぬとわかって親分を送り出し、最後は棺おけを持って迎えにいくなんて・・・


よくあった話ではないかもしれないけれど、町人の気持ちが入っているから歌舞伎の題材にもなるのだろう。


歌舞伎って、楽しい舞踊意外はハッピーエンドが少なくてなかなかシュール。



シュールといえば、7月の歌舞伎は、玉三郎と海老蔵オンリーで昼は義経千本桜と夜は泉鏡花の「夜叉ヶ池」と「高野聖」。


泉鏡花の話ってかなりシュールで怖いのです。


今日駅で見かけたポスター。


これもかなり怖いです。



私達は今回は昼の部を見に行くことにしてますが・・・








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