火曜日, 10月 16, 2007

インド旅行記 - ヒンドゥーウェディング編

初めてのインド旅行。

今回の旅の目的は、友人の結婚式がメイン。その後がジャイプールに移動してマハラジャの宮殿に泊まったり、工房を訪ねたりの旅だ。
行程は彼らが全部アレンジしてくれているのではっきりいって大名旅行。車をチャーターして移動していたので自分で町を歩くということはしなかったけれど、初めてのインドはとてもエキサイティングな旅になった。


新郎の松本さんは昨年ダライラマ法王と接する機会を下さったインド・チベット歴40年近い人。私の友人の恭さんは、バナーラスに1年留学後、渡航暦数回、インド関係の仕事をしていたので二人ともインド大好き、縁のある二人だからこそ実現したヒンドゥー式結婚式だった。

本当に感動したのは、インド人の暖かいホスピタリティと松本さんの今までのキャリアがあってこその結婚式だったと思った。


というのは、結婚式は松本さんがお世話になったデリー在住のチャダ家で行ったのだがその家の夫妻、ヴィーナさんとチャダさんの篤い歓待には脱帽する。準備から始まり当日、その後の一緒に行ったジャイプール旅行を通して、彼らの優しさとインドを愛している松本さんを心から信頼して、また彼らも愛しているのだということを実感した。

そういう信頼関係は一瞬にしてできるものではなく、やはり松本さんが長年かけて作ってきたものであり、インドを愛している数少ない日本人のことを嬉しく思っている証のような気がする。




10月のデリーは1年の中でも良い季節に入る。
インド人にとっては涼しくていいねえ、という時期らしいが気温は33度ぐらい。
でも日本と違って湿度がなく乾燥しているので過ごしやすい。



最近の経済成長に伴いインドの物価も上がり、デリーのホテルの値段はNY?東京並みだという。そこで、デリーの滞在は松本さんがよく泊まるというWorld Buddhist Centerという仏教寺に宿泊。ここのお寺はラダックのお寺なのでチベット
仏教のお坊さん達がやっていて、顔も日本人に近い顔の人が多いので親しみやすい。

食事はやはりカレーだが、とてもマイルドでおいしい。

このお寺に住んでいるという孤児のスニールクマールくんのかわいい笑顔は忘れられない。まだ小学3年ぐらいだろうか?一生懸命お手伝いをしている。



結婚式は夕方から始まるので、私たちゲストの女の子たちはアユールヴェーダのエステに行った。本格的なものではないけれど、シャナーズ・フセインという女性が作った化粧品を使ってのサロンだった。http://www.shahnaz.jp/index.html

バリやタイにある豪華なサロンというよりは、町の美容院風なところだったがテクニックはなかなか。ただ拭きとりのときにコットンを使うので繊維が顔に残るのと外が暑いからか冷房が効きすぎの部屋だったのが気になった。
マッサージの後はシャンプー&ブローをしてもらったが、こちらはおじさんがやってくれた。耳に水が入りそうになったりして大胆ながらも洗い方は上手。
ただブローだけはみんな内巻きにしてしまうので困ってしまう。



その後結婚式の会場となるチャダ家に向かう。

インドの時間はゆっくりだ。
まず家に着くとお水が出て、チャイでもどうかということになる。
そしてゆっくり落ち着いてから行動に移るということがわかった。

なので家で落ち合ってすぐレッツゴーということはありえないのだ。
ビジネスでは大変かもしれないが、こういう感じって私は好き。
でも急いでいるときはあらかじめその時間を考えて行動しなければならないということ。


チャダ家のベランダにはマリーゴールドをメインに花で飾られた祭壇が造られていた。

インドの式は夕方日が沈んでから始まるそうだ。
そして花婿は式が始まるまで花嫁を見ることはできない。

そこで花嫁の控え室を覗きに行く。
ヴィーナさんが一生懸命探したというその衣装はとても素晴らしいもので、ハンドメイドの刺繍とビーズが散りばめられたピンクの衣装はとても彼女に似合っていた。

お化粧も眉の上にお花を描いたり、手の平から手首にかけてはヘナ(髪を染めたりする染料)で細かく絵を描く。こちらはしばらく取れないがお祝いがあったことの印になるらしい。そして腕にはたくさんの腕輪と金色の腕飾りに、もちろん首飾りも。


とても美しかったが、本人はとても重いらしい。
刺繍がふんだんの素晴らしい衣装だっただけに、重量も相当なのだそう。
日本の花嫁と同じである。


花婿はターバンをかぶり刺繍のついた黒の上着に豪華なストールを首にしている。
いつもの松本さんとはえらい違いでどこかのマハラジャのようである。






日も沈みつつあるので、花婿とゲストは一度家の外に出る。
本当はそこで踊りがあったり、白い馬に乗ったり(!)とかするらしい。


そして一人ずつ家の中に入るが、玄関でジャスミンの腕輪とビンディ(額する飾り)をつけてもらいバラの花びらの祝福を受けながら家に入る。

全員が入ったところで花嫁が登場する。
そこで初めて新郎が花嫁を目にすることになるが、ここで花輪(レイ)をお互いに掛け合う。所謂リングの交換のようなものか。



そしていよいよ式が始まる。


四角い祭壇の左端に両親、前左が新婦、右が新郎、その前に司祭が座り、真ん中に儀式用の皿と人焚く釜が置かれる。

ヒンドゥー後での読経が始まり、食べ物や財の象徴であるようなものを親から娘、婿へ引き渡すような儀式をする。そして花嫁のベールの端と花婿のストールの端を結ぶ。

今度は釜の中に薪をくべいれ、読経の度にギーという牛のミルクからできる油とお香を新郎新婦が入れる。ギーを入れると激しく火が燃えていく。これを読経ごとに繰り返す。

その後が大変なのだか、火の回りを新郎新婦は7回周る。

こちらは衣装の裾が燃えないかと冷や冷やしたがなんとか回りきる。
それぞれに意味があるようだった。

その後は花嫁と花婿が入れ替わって座り、最後に花嫁の両親が立って、座っている新郎新婦の頭と頭をくっつけあうようにする。仲良くね!という意味だろうか?

そして最後にマリーゴールドのフラワーシャワーをして式は終了。

大体1時間ぐらいだっただろうか。
とても美しい儀式だったが、本人たちは暑いだろうし、大変だっただろう。



その後はまたインドタイムの始まりだ。
ゆっくりとお酒を飲みながら、過ごす。

どうもインド人たちは普段あまりお酒を飲まないので、こういうお祝いのときにたらふく飲むのかもしれない。

インドの大使館に20年勤めているとかいうインド人によると、インドの結婚式はとても長くて、日が沈んで式が始まって、9時ぐらいから披露宴、終わるのは真夜中というのが普通らしい。

今回は日本向けに短めだったかもしれないが、食事が出てきたのは10時前ぐらいだっただろうか?ヴィーナさんが作ったというご馳走(カレー)はとてもおいしかった。

インドが大好きな二人がインドで結婚式をすることができ、そして参列が出来たことをとても嬉しく思うし、本当に良い式だった。

0 件のコメント: