ブルゴーニュの中心地、ボーヌには有名な場所がある。
15世紀にブルゴーニュ公国の宰相ニコラ・ロランがフランドル地方を訪れたときに見た施療院を見てボーヌの街に建てられたそう。
ワイン畑を持っていてもちろんカーブもあり、今でもオスピスドボーヌの名前でワインが作られている。
建物はブルゴーニュ風の色とりどりの屋根瓦が美しい。
施設の中には小さなベッドが並び、その奥にはチャペル。医療器具や薬品が展示されていたりして面白いのだが、圧巻は最後の部屋にある絵。
もともと祭壇に掛けられていたそうなので、礼拝の時にこの絵を見て皆自分を戒めていたのだろうか。教会にはよくある絵であるが、当時の貧しい者たち、字が読めない者にもキリストの教えを伝えるためのものなのだろう。
この日のランチはボーヌの町にある和食やさん、Bisouでいただいた。
自然派ワインを多く取り揃えており、お刺身や寿司、とんかつなどもいただけるのだが、器も素晴らしいし、お料理もとてもおいしくてびっくり。雰囲気も抜群なのでとても人気のお店である。
翌日はピュリニーモンラッシェのすぐ近くの、サントーバンSaint-Aubinにあるジャンジャックモレルのカーブを訪れた。
とても美しい場所にあり、表の藤が満開である。
(冒頭の藤の写真は彼のカーブの表)
彼はとても穏やかで真面目で丁寧にワインを注いでくれる。
始めに飲んだ白はとても滋味深く、和食に合いそうと思った。その後の赤についても優しい味がした。
あれっ?これってもしかして赤だけど日本の刺身とか煮物に合いそうな気がする。
激しい肉、脂があったりこってりした肉を食べるときには必ずしっかりした赤がないと消化しない気がするのだが、それとは違い彼の赤ワイン、とっても和食にも合わせやすそうだ。
モンラッシェにはさまれた畑の葡萄だからか?
彼の優しい生真面目な性格から作られるワインだからろうか?
なんだか赤なのに新鮮。
あっさりした牛肉のたたきとか香味野菜のサラダ、これからの季節、夏向きということで屋外でのバーベキューなどにも合いそうである。
つい白やロゼを選んでしまうところだが、「夏でも飲める赤」という感じ。
新しい発見をしたような気がした。
最後の日は一日だけパリを散策。
5年ぶりぐらいだろうか、いつ来ても嬉しい街だ。
最初にモンマルトルを歩いて、サクレクールを見た。白亜の教会はいつ見ても美しいし、やっぱり人も多い。階段を登るごとにパリの街が見えてくるのも素晴らしい。
その後、パリでもたくさんの自然派ワインを扱っているという有名なワインショップ、Caves Auge カーブオジェを訪れた。
青い庇が目を引くがなんといってもワインの量。地震の多い日本では考えられない積み方をしているが下から上までたくさんのボトルが積まれている。
パリ住んでフランス語がわかれば毎日でも行ってしまいそうな店である。
夜はこれまた自然派ワインを多く取り揃えているというワインショップ兼ワインバーのLe Verre Vole ヴェルヴォーレに行く。
このお店は人気店らしく予約も大変のようだ。なんとか1時間半だけ滑り込みという形で入ることができた。とても狭い店内は座るのも歩くのも大変なのだけれど、あっという間に満席。その後もひっきりなしに沢山の人が訪れる。
こちらでは時間も短いのでハムとチーズの盛り合わせとアスパラ、それに絶品だったのが仔牛のカルパッチョ。まず日本ではお目にかかることはできないと思うが、ピンク色のお肉はとてもやわらかくて美味しい。こんな感じでワインを飲んでいたらほんとにあっという間に時間が経つ。
シンプルなのにおいしいのが一番。
そんなこんなでパリでの1日を朝から晩まで満喫することとなった。
あっという間のワイン紀行だったけれど、とても充実した楽しい旅になった。
これも友人のおかげ、感謝がつきない。
フランスのワインって難しいと昔は気後れしていたのだけれど、今回の旅でブルゴーニュを中心にいろんな生産者に会い、畑を見たり、カーブを見ることでフランスワインの奥深さを知ることとなった。
なんでワインが好きなんだろう?って考えると、それは食事と一緒に楽しめるからだ!
と改めて思う。
だって、大好きな人たちとおいしい食事を食べるには、絶対にワインがいる!
とっても楽しい時間を過ごすことができるから。
そして、おいしい自然派ワインを探して日本に届けてくれる彼らの仕事にも感謝。
いつもおいしいワインをありがとう~
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