金曜日, 7月 13, 2007

ういろう

先日、小田原のギャラリーで写真展をしてい友人のところへ遊びに行った。

小田原といえば、昔はよく箱根や伊東に行ったものだったが、その中継地点というかわざわざ寄って町を歩くことはなかった。

が、今回時間もあったので町を散策してみた。


葉山でも感じたことだが、まず駅に降り立つと空気が違う。
東京とは違い、潮の香りがするし気温も少し高く感じる。

大きな町だが、人も少なくてのんびりとした雰囲気である。

小田原は北条氏が開いた由緒ある古い町で、工芸品や呉服店、古い商店が並ぶ。
東海道の小田原宿だったので、古くから栄えていた町。
町を歩くとあの小田原提灯が下がっていたり、由緒ある紙屋「江島」や薬店があったり。


中でも、以前から小田原に行く機会があったら、絶対に行こうと思っていた店。

「ういろう」である。

ういろうと言っても名古屋のういろうではなく、小さな銀の粒の薬。

この薬は昔から万能薬でなんでも効くそうだが、特に咳が出るときに一粒口に入れると途端に止むそう。会議のときやクラッシックのコンサートに行くときなどは是非携帯したいと思っていた。


でもこの薬はもちろん小田原に行かないと買えないし、買う個数も制限されている。(一人2個)

というのも、この薬を製造、販売している外郎家は、創業600年。

初代は元に仕えていた中国の家だったが、元の滅亡とともに日本に帰化した。
その後小田原の北条早雲に仕えたが、この薬の製法を一子相伝で現在も伝えている。


こんなに由緒ある薬であるが、さらに有名なのが歌舞伎十八番の「外郎売」の外郎である。

なんでも、2代目市川団十郎が持病の咳と痰で台詞が言えず困っていたところ、この薬で全快したので、感謝の気持ちをこめてこの舞台が誕生したそうである。

外郎売の中の長台詞(口上)は、とても長くて言葉遊びありの早口言葉になっているので、俳優やアナウンサーの練習にも使われる。


またおもしろいのが、ういろうの店舗。
小田原来た時に作られたという八棟造りの建物が、かなりインパクトがあった。
1号線沿いに建つその店舗は、昔の木造では再現できずコンクリートで作られたためか、なんだかテーマパークっぽい。

古い建物を期待していたのだが、仕方ない。
車で走っていてもすぐわかるからいいのか。
小田原城のすぐ手前である。



そこから海まではすぐ。


浜辺まで歩いてみた。

御幸の浜というそのビーチは、まだ人はちらほら。

久しぶりに靴を脱いで、しばらく海の中に佇む。

案の定、波がきて濡れてしまったけれど、とても気持ちよかった。

時が経つのも忘れて、水と砂の感触を楽しんだ。

歴史ある小田原の町。
東京からも電車で行けるし、お魚もおいしい。

とても素敵なところでした。

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